金融引き締めへの懸念でグロース株が売られる

 今回の米国株の調整はGAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック:メタ、アマゾン、マイクロソフト)など大型グロース株が中心となっています。バリュー株は相対的に下落率が低くなっています。そのことが、以下のグラフでわかります。

米国株価指数(ナスダック、S&P500、NYダウ)の動き比較:2019年末~2022年1月28日)

出所:QUICKより作成、2019年末の値を100として指数化。グラフ内の矢印の右に出ているのは、2021年の高値から2022年1月28日までの下落率

 昨年の高値からの下落率は、GAFAMなど大型グロース株の構成比が高いナスダック総合指数が▲14.2%と一番大きくなっています。一方、オールド株比率が高いNYダウの下落率は▲5.6%と相対的に小さく、その中間であり米国株全体の動きをもっとも良く表しているS&P500の下落率は▲7.6%となっています。

 グロースの下げが大きく、バリューが堅調なのは、日本株でも同じです。TOPIXバリュー指数の昨年高値からの下落率は▲6.1%と相対的に低い一方、TOPIXグロース指数の下落率は▲16.6%と大きくなっています。大型グロース株の構成比が高い日経平均も、昨年の高値からの下落率が▲12.9%と高くなっています。

 上のグラフに日経平均の動きを加えると、以下の通りとなります。

日経平均および米国株価指数(ナスダック・S&P500・NYダウ)の動き比較:2019年末~2022年1月28日)

出所:QUICKより作成、2019年末の値を100として指数化。グラフ内の右端に出ているのは、2021年の高値から2022年1月28日までの下落率