NISAで注視したいもうひとつの着眼点

 ここでもうひとつ着眼点を提示したいと思います。それは「買われだしたセクター・銘柄」です。

 年初からいわゆる景気敏感株(≒バリュー株)が買われたことはご存じでしょう。鉄鋼、非鉄金属、重電、自動車、重工業、商社、金融、海運などのセクターがほぼ一斉高を演じました。

 そして、コロナ禍以降何度かあった景気敏感株物色でもあまり目立った動きをしなかった「銀行株」にも動意が見られています。

 この背景として指摘できるのはFRB(米連邦準備制度理事会)による「テーパリング(量的緩和縮小)」と「利上げ局面入り示唆」です。米国ではコロナ禍による大規模な金融緩和が終わり、財政出動による急な景気回復(≒インフレ)をコントロールする動きが始まっています。

 このことは「米経済正常化」と表現することもでき、グローバルマネーの動きの活発化が期待され、日本の銀行株にも反応が見られているということになります。

 日本の銀行株の場合、極端に割安に放置されていたことから、「割安修正局面」と表現するのが適当かもしれません。多くの銀行株は高配当銘柄でもあり、目ざといNISA投資家が見過ごすことはないのではないでしょうか。

 ここでは銀行株から3大メガバンクグループを除く大手行と地銀から10万円で投資可能な銘柄を選別します。

10万円で投資可能な銀行株

 株価データは2022年1月18日終値ベース。

りそなホールディングス(8308)

 5大銀行グループの一角で、傘下にりそな、埼玉りそな、関西みらい、みなとの4行を擁します。2022年3月期配当(予定)は一株当たり21円です。

・1年日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

コンコルディア・フィナンシャルグループ(7186)

 傘下に地銀首位級の横浜銀と東日本銀を擁します。神奈川と東京軸に展開しています。2022年3月期配当(予定)は一株当たり18円です。

・1年日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)