株と原油は「一蓮托生」の関係

 前々回は「プラチナ」、前回は「金と銀」。2022年の価格見通しシリーズの3回目は「原油」です。2022年の原油相場を予想するにあたり、まずは、2020年と2021年の株価と原油相場の推移を確認します。

図:NY原油先物とNYダウの価格推移 単位:ドル/バレル

出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

 米国の主要株価指数の一つであるNYダウと、世界の原油価格の指標の一つであるNY原油(WTI原油)先物の価格推移は、この2年間、「一蓮托生(いちれんたくしょう)」の関係だったと言えるでしょう。

 株価が上昇すれば、景気回復期待が高まり、目先のエネルギー需要が増加する観測が浮上する。逆に、株価が下落すれば、景気回復期待が低下し、目先のエネルギー需要が減少する観測が浮上する。大局的にはこの2年間、このような事象が続いていたと言えそうです。

 2021年秋ごろ、原油高が「インフレ懸念」を強め、株価を下落させている、と指摘される場面がありましたが、その後も、株高・原油高、株安・原油安、という状況が続いていることを考えれば、株と原油の主従関係は、あくまでも株が主で、原油が従だと言えます。