2022年は「コロナ・脱炭素」の「3年目」

 では、株と原油が「一蓮托生」の関係にあった2020年と2021年は、長期的視点で見た場合、どのような年だったのでしょうか。以下は、2020年を中心に、その前後30年に起きた(起き得る)、主な社会的変化を示しています。

図:2020年の前後30年間の、社会情勢の変化(見通し込み)

出所:筆者作成

 1990年ごろから現在にかけて、人口、消費、格差、金融、情報技術、気象、米国情勢などの分野において、大きな変化が生じました。そして、変化が進行している最中の2020年に、新型コロナがパンデミック化したり、「脱炭素」が本格化したりしました。

 このように、「コロナ&脱炭素」が本格化し、社会情勢の変化が「さらに」激しくなった2020年は、ある意味、「元年」であり、2022年はその3年目と言えるでしょう。では、こうした大局的な変化のゴールはいつなのでしょうか。

 パリ協定で約束した、各国の温室効果ガスの削減目標の期限が2030年から2050年くらいで、国連で策定された持続可能な開発目標「SDGs」の期限が2030年であることを考えれば、「脱炭素」の点で言えば、大局的な変化のゴールは2050年くらいと言えるでしょう。

 このように考えれば、2022年は3年目であり、まだ序盤と言えます。このため、2022年は急激な変化が生じるよりも、その前年である2021年を踏襲する可能性の方が、高いと考えられます。

 このため、下記のような2021年に発生した事象が、2022年も引き続き、発生する可能性があると、筆者はみています。

図:長期視点をもとに得られた、2022年も起き得る事象( ≒ 2021年)

出所:筆者作成

「コロナ」の特効薬が開発されて一般市民にも処方されるようになったり、「脱炭素」の動きが大気中の温室効果ガスの量を減少させ、かつ経済成長が同時進行できるようになったりして、両事象(コロナと脱炭素)が「安定期」に入るまでには、まだ相当の年月がかかると、考えられます。