多くの時間帯で、上昇圧力は下落圧力に勝る

「コロナ・脱炭素」3年目の2022年も、2021年と同様、全体的な年平均ベースの上昇が発生する可能性があると述べました。原油も例に漏れず、年平均ベースで上昇すると考えます。

「脱炭素」起因の上昇要因を含んだ、2022年に発生することが想定される、原油固有の上昇・下落要因は、以下のとおりです。

図:2022年の原油市場の環境(筆者予想)

出所:筆者作成

 株価の下落と上昇が、原油相場の下落要因と上昇要因になり得る点については、冒頭で述べました。また、週次で公表される石油在庫や、月次で公表・修正される需要見通しなども、下落と上昇、両方の要因になり得ます。ここに、「脱炭素」起因の上昇要因が加わるわけです。

 このような構図が、2022年の原油相場の年平均ベースの上昇を支えると、筆者は考えています。