「コツンと来た」は買いタイミング?

 日経平均株価の下落が続いた後に出来高を伴って大きく下げると、「コツンと来た」という言われ方をすることがあります。出来高を伴って下げるということは、大きく下げた局面で売っている人がいる(もしくは売らされている)ということでもあり、得てして、信用取引をしている人が損失覚悟で投げ売りをさせられている状態であったりします。

 逆に考えると、信用取引で投げ売りが発生しているときが買いのタイミングであるとも言えます。そのような絶好の機会を捉えられるよう、今回、検証していきたいと思います。

 まずは、直近の信用取引買残高と日経平均の推移をみてみましょう。

(表1)信用取引買残高と日経平均株価の推移表

*2021/12/17の信用取引買残高は、コラム作成時点で未発表
出所:日本証券取引所公表データを基にマネーブレインが作成

 この表を見ると、おおむね日経平均が下がるときに信用取引買残高が増え、日経平均が上がるときには減る傾向があります。信用取引をしている人たちは基本的に逆張りの行動をしていることがわかります。

 ところが、時々、日経平均が下落しているなかで信用取引買残高が減少しているときがあります。

 直近では、12月3日までの1週間に日経平均が722円下げるなか、信用取引買残高が913億円減少しています。この週は、東証マザーズ指数が大きく下落した週でもあり、実際に投げ売りが一部に発生したのではと思います。その後の日経平均の動きをみると、12月16日には2万9,000円台まで上げているため、12月3日の週を底に、短期的ではありますがいったんは反発する動きをしたと言えるでしょう。

 このように、日経平均の下落と信用取引買残高の減少が合わさったときは、買いのチャンスであると言えます。

 ただし、いったんは反発しても、その後下落していくことも多々あり、日経平均の下落と信用取引買残高の減少が合わさったときに買えばよいとは一概には言えない、と考えています。

 そこで、どのくらい信用取引買残高が減少したら、どのくらい日経平均が下落したら、買いのタイミングとしての確度が高まるのかについてみていきたいと思います。