2021年の年末は「二択」が特集テーマだ。投資、もう少し広くお金の問題について、二択の形式で考えてみようという趣旨だ。
さて、「○○○か、×××か?」という形の二択問題は様々に設問可能だが、前提条件によって答えが変化するし、検討するうちにそもそも問い自体が適切ではないということに気づく場合もある。今回は、お金にかかわる二択問題を検討してみたい。
はじめに、以下の10個の二択問題について、「○:二択の問いが適切であり、答えが出る」、「×:二択で問うこと自体が不適切だ」、「△:前提条件によるので、○とも×とも決めがたい」の3通りの評価を読者ご自身でやってみて欲しい。「○」の場合は、どちらの選択肢に軍配が上がるのかについても答えを出して欲しい。
以下の設問は、採点を目的とするものではないので、問題のいくつかは条件を敢えて曖昧にしてある。言葉を補いながら、「私なら、こう思う」という具合に考えてみて欲しい。
お金の二択問題、あなたはどう思う?
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1.対面営業の証券会社がいいか、ネット証券がいいか?
答え「○」。ネット証券がいい!
1問目は、挨拶代わりのサービス問題だ。
手数料が安いこと、便利なこと、もあるが、何と言っても、セールスマンと向き合わずに済む点が、ネット証券は圧倒的にいい。
「トウシル」がネット証券のメディアだから、筆者がネット証券に勤めているから、という理由もほんの少しあるのだが、「人間のリスク」を避けられるメリットは大きい。答えははっきりしている、と言い切ることにする。
もっとも、問題の前提となる可能性は多様だ。例えば、就職活動中の学生さんから「対面証券の方が、給料が高い場合があり得るのではないか?」という反論があり得る。この反論に対しては、「お金は大事だ」と認めつつも、「お客さんのためになる仕事の方が、働いていて楽しいよ」と再反論することにしよう。