大きな利益を目指すなら成長株。ただし留意点も

 筆者が個人投資家の方と接して感じるのは、成長株を好む個人投資家は「大きな利益」を目指していることが多いという点です。一方、割安株を好む個人投資家は「大きな損失を避ける」傾向にあると感じています。

 確かに成長株は株価が大きく上昇するのが最大の魅力です。

 2012年末のアベノミクス相場スタートからおよそ9年経過しましたが、この間に株価が10倍以上に値上がりした「テンバガー銘柄」は数多くありますし、中には100倍以上に値上がりした「ハンドレッドバガー銘柄」もあります。筆者が投資対象としている銘柄にも、テンバガー銘柄がたくさんあります。

 その一方、成長がストップしたり業績が悪化したりした場合、株価が「高い成長性期待」というゲタを履いている分、下落も大きくなります。時には高値から10分の1、20分の1以下にまで下落してしまうこともあります。

値下がりを避けたいなら割安株

 割安株を好む個人投資家の方は、こうした「株価が大きく値下がりしてしまうリスク」を避ける傾向にあると感じています。

 例えば、成長株と割安株があり、成長株はすでに安値から10倍にまで上昇しているが、割安株は30%しか上昇していない。このような状況で成長株を買うのは正直勇気がいります。すでに大きく上昇している分、下落したときも大きいだろうという気持ちになるからです。

 でもまだ安値から30%しか上昇しておらず、PERも低く、かつ毎年しっかり利益も配当も出している割安株であれば、株価が何倍、何十倍に上昇することはない代わりに、下がってもせいぜい2~3割程度だろう、と思うはずです。

 このように、割安株を好む人は、大きな利益はそれほど期待しておらず、どちらかというと大きな損失の可能性を回避する傾向にあると筆者は感じています。