長期上昇相場に強い逆張り
では、逆張りの強みとは何でしょうか。やはり安いところで買うことができる点です。順張りは、株価が下落を終えて上昇に転じたのを待ってから買いますから、逆張りよりも高く買う傾向にあります。
特に、長期上昇相場であれば、逆張りで安いところを買い向かい、その後株価が上昇するのを待つことにより、利益を大きく伸ばすことが可能です。
2012年末から今まで、アベノミクス相場を皮切りに長期上昇相場が続いており、その間逆張りでの買いは基本的には報われる形になっています。
逆張りは下落相場やバブル崩壊に弱い
ただし、逆張りには大きな弱点があります。それは長期的な下落相場になった場合、含み損が膨らみ塩漬け株を生じさせる恐れが高い点です。
例えば、2020年2~3月のコロナ・ショックの際、ほとんどの銘柄が値下がりを続ける中で買い向かった個人投資家は大勢いました。彼らが買った株の中には、コロナ・ショック後に株価が大きく上昇し、成功を収めたものもありました。一方で、中にはコロナ・ショック後も株価が上昇せず、今でも多額の含み損を抱えているケースもあるのです。
また、ITバブル崩壊やリーマン・ショックのように、10年に一度程度訪れる大きな下落のときは、ほぼ全ての銘柄が大きく値を崩します。株価が下がっている途中に安易に逆張りで買い向かうと、買った後もさらに大きな下落となり、塩漬け株のオンパレードになってしまう危険もあります。
大ケガをしたくないなら順張り
その点、順張りは確かに逆張りより高い株価で買うことも多いものの、株価が下がっている途中に買い向かうことはしないので、株価が大きく下落する途中に買ってその後の大きな下落で多額の含み損を抱えることは避けられます。
また、逆張りの人はそもそも「安い」と思って株価が下落している途中に買い向かうので、そこからさらに株価が下がると「さらに安い」ことになり、損切りという概念を持たない人が多いのです。しかし、それが塩漬け株につながってしまいます。
でも、順張りの人は買った株が値下がりに転じたら、損失がそれ以上拡大しないよう損切りを実行することが多いのです。これにより、株価が想定以上に大きく下げた場合も、損失が膨らむことは避けられます。
想定外の大きな下落となったり、長期間株価が下げ続けたりするようなときは、安易に逆張りで買い向かうよりも、株価が下げ止まって上昇に転じるのを待って順張りで買った方が、結果的に安く買えることも多いのです。大ケガをしたくないのであれば、逆張りではなく順張りに徹した方が無難です。