個人投資家の多くは逆張りをしている

 実は、個人投資家の多くは逆張りをしていることがデータからも明らかになっています。東京証券取引所では毎週木曜日に、その前の週に、投資家別に株をどれだけ買い越したか、それとも売り越したかを集計して発表しています。「投資部門別売買状況」と呼ばれるものです。

 これを見ると、個人投資家は株価が大きく上昇しているときは株を売り越していて、逆に株価が大きく下落しているときは買い越していることがほとんどです。

 つまり、トータルで見れば、多くの個人投資家は逆張りをしていることがこのデータから明らかになっているのです。

 ちなみに、外国人投資家は株価が上昇しているときは買い、下落しているときは売るという順張りをしていることがデータから分かります。

 例えば2021年8月最終週は日経平均株価が5.38%上昇しましたが、外国人投資家が3,670億円買い越した一方、個人投資家は4,918億円売り越しています。 

 また、2021年9月第1週は、日経平均株価が4.30%上昇し、外国人投資家が3,010億円買い越しの一方、個人投資家は5,806億円の売り越しです。

 逆に、2021年8月第3週は日経平均株価が3.45%下落しましたが、外国人投資家は3,634億円売り越していて、個人投資家は4,059億円買い越しています。

 また、2021年9月最終週は日経平均株価が4.89%下落し、外国人投資家は4,890億円の売り越し、個人投資家は5,516億円の買い越しでした。

 では、なぜ個人投資家の多くが逆張りしているかといえば、やはり人間の本能的に、株に限らず、できるだけ安くなったら買いたいと思っているからなのではないかと個人的には推測しています。