今週の予想

南アフリカ発の新型コロナ変異株の影響を見極め

 先週は「近くて遠い日経平均3万円」が継続するとしましたが、26日(金)の南アフリカなどで見つかった新型コロナウイルスのオミクロン型変異株への警戒感から、日経平均は900円近い暴落となって3万円台回復が遠のいてしまいました。

 2021年は8月20日の安値2万6,954円を底に、10月6日の2万7,293円、10月25日の2万8,472円、11月11日の2万9,040円と下値を切り上げてきました。

 ところが、テクニカルでは75日移動平均線(26日時点2万8,966円)、200日移動平均線(26日時点2万8,947円)を割り込み、11月11日の2万9,040円を下に切り、先週末の終値は2万8,751円で、10月25日の2万8,472円を切るところまで下げています。

 前週までの下値切り上げの動きは明確に崩れましたので、これを早期に回復できない場合は、10月6日の2万7,293円が意識されることになります。

 世界的に新型コロナ感染者が増加している中で、国内では1日あたり感染者数は8月の約2万5,000人をピークに激減、足元では100人を下回る日もあります。

 日本政府は新型コロナ感染拡大の備えをしつつ、経済活動の再開に着手しており、景況感も改善する方向にあります。にもかかわらず、南アフリカなどで新たに見つかった新型コロナウイルスのオミクロン型変異株への警戒感から世界的株価暴落となりました。

 相関的には新型コロナ感染者が減少傾向の日本市場に優位性がある局面でしたが、そうはなりませんでした。

 今週は9月中間決算配当の支払いが本格化しはじめたことで、再投資の買いが見込まれるものの、とりあえず水準訂正への動きを待つところ。基本的に、新型コロナのオミクロン型変異株の感染状況が相場を左右しそうです。

 感染の広がりが確認されれば買いが控えられるも、新たな悪材料がなければ、買い戻しから2万9,000円台回復は早いと思われます。