先週の結果

週末に新型コロナの新たな変異株出現報道で暴落

 先週の予測では、日経平均は引き続き「近くて遠い3万円」が続くとし、2万9,200~3万円のボックス相場の中の動きを想定しました。日米ともに休日を挟んでおり、上昇のリズムが出るのは難しいとしました。

 2021年2月16日に3万714円の高値をつけてからは、8月20日の2万6,954円を安値の底に、10月6日の2万7,293円、11月11日の2万9,040円と下値を切り上げてきました。

 それを考えると「11月は高い」というアノマリー(経験則)だと2万9,040円は切らずに、先週末から12月にかけて3万円台を期待していました。

 ところが、週末の26日(金)は、一時▲893円の2万8,605円まで下げ、終値は▲747円の2万8,751円となりました。誰もが予想しなかった大きな下げでした。

 22日(月)は、前週のNYダウ安を受け、▲203円の2万9,542円まで下落しましたが、売り一巡後はプラスに転換し、+28円の2万9,774円で引けました。

 23日(火)は祝日で休場でしたが、休みの間にナスダックが大きく下げたことで、ハイテク株を中心に売られました。ハイテク株の下落要因である早期金融引締め懸念が日本のハイテク株にも広がり、24日(水)は、一時▲562円の2万9,212円まで下げ、終値は▲471円の2万9,302円となりました。

 25日(木)は、ナスダックが3日ぶりに反発して、ハイテク株も戻したことで、日経平均は+196円の2万9,499円と反発しました。この日の米国市場は感謝祭で休場でした。

 26日(金)の日経平均は、一時▲893円の2万8,605円まで下げ、終値は▲747円の2万8,751円と暴落。10月25日の2万8,472円の下値ポイントはかろうじて守りました。

 この日の暴落の要因は、南アフリカで新型コロナの新たな変異株が検出されたと報道されたことでした。英国保健当局は、「最も懸念される変異」との見方を示したことでパニック状態となりました。

 ただし、この日は香港ハンセン指数の急落の他、原油や銅の先物も売られ、グローバルリスクが広がる兆しも見せています。

 米国株式は、NYダウが調整的な動きをしていたことで、米国株全体も調整気味の動きが出てくるかもしれません。

 26日(金)の米国市場は、感謝祭の翌日で午後1時までの短縮取引となりましたが、南アフリカで見つかった新しい新型コロナオミクロン型変異株への懸念から全面安となり、NYダウは一時▲1,054ドルまで下落し、終値は▲905ドルとなりました。

 NYダウは3週続落となり、すでに調整に入っていたことを示しています。ナスダック▲353ポイント、S&P500▲106ポイントと主要3指数そろって大幅下落となりました。

 シカゴの日経先物は▲635円の2万8,155円でした。

 為替はドルが売られ、円はリスク回避の円買いが強まり1ドル=113.35円まで買われました。