長期投資の失敗パターン2:やれやれの売り

 そしてもう一つ、気をつけなければならない行動があります。

 底値で持ち続けられたとしても、ようやく価格が回復し元に戻ってきたところで売ってしまう、いわゆる「やれやれの売り」という行動も多く見られます。

「やっと損失が解消されたから、今のうちに手放してしまおう」という気持ちから、その先の長期的な成長を取り損なってしまうことも、よくある失敗のパターンなのです。

 このような失敗を避けるには、冒頭にお伝えした「値動きを感覚的に理解しておく」、つまり自分の投資している資産がどのぐらい値動きするものなのか? ということをあらかじめ認識しておくことが重要です。

出所:筆者作成

どの商品でもリターンの目安は同じなのか? 

 そこで知っておいてほしいのが、「資産やファンドごとに、期待できるリターンは全く異なる」ことです。

出所:筆者作成

 上図は長期的なリスク・リターンの実績値から、各資産のポジションを示しています。

 左下に位置するのはローリスク・ローリターンの資産で、主に債券。逆に右上の方に位置するのはハイリスク・ハイリターンの資産で、主に株式やREIT(リート:不動産投資信託)などです。

 米国株式も同様に右上に位置していますが、これだけリターンが得られるということは一方で、同じだけリスクもあるということです。

 また、債券はリスクが少なく、得られるリターンも低いのです。

 こういった各資産のリスクやリターンの相関を頭に入れておけば、「こんなに値動きすると思っていなかった」「投資をしているのに全然上がらない!」といった、誤った認識からくる「期待はずれ」を避けることができ、心理的にも安定します。