米国・全世界・日本の株式 どれがいい?

いつ、どの地域の株価が上がるの?

 最後に、「米株、全世界株、日本株、どれがいい?」。こちらも多くの方から質問がありました。

出所:筆者作成

 上図は各株式インデックスの値動きを示しています。

 先ほどご紹介した「リスク」の観点からいえば、直近3年程度では実はどれも18%強と、同じ程度になっています。ただ、このグラフを見ると、それぞれグラフの形が微妙に異なっていることが分かります。

 青いラインが日本の株式、黄色いラインが全世界株式、赤いラインが米国株式ですが、特に日本の株式は一つの国だけに投資を行うため、世界全体とは異なった値動きになることがあります。

 全世界株式は、文字通り世界の株式市場を網羅しており、米国も日本も新興国も入っているため、ちょうどきれいに3本の中で真ん中に位置しています。

 そして米国株式はといえば、これだけ見ると一番上がっています。「やはり米国株式が一番いいじゃないか」と感じるかもしれません。しかし、本当にこの状態が今後10年も20年も続くかというと、将来がどうなるかは分かりません。さかのぼること1980年代、米国株式のパフォーマンスが振るわなかった時代は、逆に日本株式市場は非常に好調だったということもありました。

 このように、いつ、どの地域の株価が上がるかなどは誰にも分からないため、これから20年30年と資産形成をしていく場合、さまざまな地域に分散投資しておくことが合理的な判断といえるでしょう。

投資で「絶対的に安心」はない。値動きを理解し、自分に適しているか考える!

 米国株インデックスファンドについては、運用期間を十分に取り、低迷期間があっても回復を待てるなら、長期的に高いリターンが期待できるので、おすすめです。

 しかし、仮にマイナス期間が数年間続いてしまった場合に、「待つ時間がない」「マイナスに耐えられる自信がない」なら、リスクを低減したバランス運用などがおすすめです。

≫資産形成の疑問まるごと解決!その2:iDeCoとつみたてNISAを始めたい、中身は何がいい?

資産形成の疑問まるごと解決!

≫その1:S&P500、NYダウ…米国株インデックス投資は本当に安心ですか
≫その2:iDeCoとつみたてNISAを始めたい、中身は何がいい?
≫その3:「おまかせ運用」本当にいいの?デメリットは?
≫その4:つみたてNISAから、投資をどう広げたらいいですか?
≫その5:50~60代ではじめる資産形成、まとまった資金の運用を失敗したくない!
≫その6インデックス?アクティブ?ETF?個別株?結局どれがいい?