先週、第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)が4日間の日程で開催され、11月16日、「党の百年にわたる奮闘の重大な成果と歴史経験に関する決議(歴史決議)」の全文が公表されました。

 中国共産党史上3回目となる歴史決議、この中身から透けて見える習近平(シー・ジンピン)総書記の思惑と中国の現在地は? そして来年2022年の党大会にどう向かっていくのか? 今回解説します。

習近平の思惑は「歴史決議」のキーワードに表れる

 6中全会開会中に「中国6中全会はなぜ重要なのか?習近平3期目突入への布石」と題して配信した先週のレポートで、次の点を提起しました。

「毛沢東(マオ・ザードン)、鄧小平(ダン・シャオピン)に次ぐ「第3世代」の指導者として、歴史的地位を政治的に確立すること。これこそが、習総書記が中国共産党百周年という節目の年に「歴史決議」の採択を試みるマクロ的動機といえますが、ミクロ的動機もあるのです。それは、第3期目への挑戦であり、最高指導者として2期10年を終える2022年秋第20回党大会以降の続投です。」

 6中全会が閉幕し、コミュニケ(公報)と「歴史決議」全文が公表された現在に至っても、この「歴史決議採択の動機は習近平が来年の第20回党大会以降も続投を狙うこと」という考えに変わりはありません。むしろ、強くなりました。

 例として、約7,400字から成るコミュニケには「2022年下半期に第20回党大会を北京で開催する」という一文が明記されています。

 この事実は重要です。習氏の権力基盤が一層強化されている現状を物語っているからです。「仮に歴史決議採択が党内で物議を醸し、習氏の狙いに反対する声が強かったのであれば、1年先の党大会について言及などしない」(党幹部)といえます。

 約3万6,000字という長文の「決議」全文は7つのパートから成り、一言で言えば、中国共産党百年の歩みを振り返り、その紆余曲折に満ちた歴史的意義・経験を総括するものです。

 そして、中国共産党はなぜ、マルクス主義という根源的指導思想に基づき、中国独自の社会主義の道を選び引き続き実践していくのか、これらの問いに歴史的根拠、および正当性を与える内容になっています。

 私は、歴史決議のような重大公文書や最高指導者の重要談話が発表される際、その中にあるキーワードを一定の基準に沿って抽出、その使用頻度を見ています。これにより中国共産党が何を考え、中国をどこへ導こうとしているのか毎回分析します。今回は次のような結果でした。

キーワード 出てくる回数
毛沢東 18
鄧小平 6
江沢民 1
胡錦涛 1
習近平 22
マルクス主義 28
社会主義 156
中国の特色ある社会主義 59
共産党 49
新時代 47
中華民族の偉大なる復興 28
改革開放 40
民主 48
自由 6
法治 49
市場 11
闘争 50
注:筆者作成

 次は習氏の思惑や立場をめぐって3つの点を指摘します。