現在、中国の首都・北京で、第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)が開かれています。11月8~11日まで4日間の日程。中国共産党が歴史上3度目の「歴史決議」という文書を採択する予定で、極めて重要な政治会議になります。

 習近平(シー・ジンピン)総書記が同会議・決議を通じて「勝負」に出るとはどういうことなのか、今回解説します。

中国は政治の国

 中国には多くの重要な政治会議があります。扱う分野は経済や外交、民族、文化、軍事、党内建設、イデオロギーなど多岐にわたり、会議にも、中央政治局会議、国務院常務会議といった定期的に行われるもの、全国人民代表大会や中央経済工作会議といった年1回行われるもの、そして5年間に1度行われる最重要会議である党大会などがあります。今回の6中全会とは、党大会の間に原則7回開かれる中央委員会全体会議の一つに位置付けられます。

 中国は政治の国。

 しばしば、そんなふうに言い表されることがありますが、私もそう思います。会議が扱うテーマや性質はさまざまであるものの、共通しているのは「政治会議」の一点だといえます。

 つまり、9,000万人以上の党員を抱える世界最大の政党である中国共産党が、政治的に重視する会議、そして政治の方針や戦略を定めることに影響を与える会議であるということです。

 今回の6中全会は、その中でも特に重要な会議です。習近平政権の今後だけでなく、党国体制の中国の方向性そのものを左右するようなインパクトを持ち得ると、私は捉えています。

 会議の結果や中身については、閉幕後に公になる文書、およびそれを取り巻く各種事象を詳細に分析しなければならないため、次回のレポートで検証予定です。

 本稿では以下、今回の「6中全会」がなぜそれほどのインパクトを持ち得るのかを解説します。