不安は、消えないどころか大きくなる一方。金(ゴールド)は上昇、原油は高止まりが続くか

 先日閉幕したCOP26は、開幕当初、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ氏により、「明白な失敗」「美しい言葉で絵空事の目標を発表するPRイベント」などと痛烈に批判されました。また、閉幕直前には、石炭火力がメインのインドなどが合意に反対したため、期限が延長され、文書が一部修正される一幕も見られました。

 COP26は、「脱炭素」をめぐるさまざまな思惑が会場内外でぶつかり合い、ようやく閉幕したわけですが、この会合で浮かび上がったことの一つに、「脱炭素先進国と脱炭素途上国の間にある溝の深さ」が挙げられると、筆者は考えています。

「溝の深さ」は「不確定要素、リスク、混乱などの大きさ」と言えるでしょう。「脱炭素」が人類共通の超長期的目標であるため、先述の原油相場に上昇圧力をかける3つの材料と同様に、(ドルキャリー取引の巻き戻しリスク以外に)「脱炭素」起因の「不確定要素、リスク、混乱(いずれも金(ゴールド)相場に上昇圧力をかける「有事のムード」を強める要因)」が、今後も続く可能性があります。

 このため、年末までの金(ゴールド)と原油相場の見通しについては、以下の通り、ともに基本的に上昇することを想定した10月の内容を踏襲します。

 ただし、気をつけなければならないリスク要因に、金(ゴールド)は「ドルを急騰させる程の早期利上げ観測」、原油は「過度な化石燃料不要論」「石油在庫急増」を、追記しています。

図:年内の予想レンジ(10月25日と変わらず)

出所:筆者作成

 また、金(ゴールド)は次回のFOMC(12月14日・15日)、原油は次回のOPEC(石油輸出国機構)・非OPEC閣僚会議(12月2日)が、注目すべき大きなイベントだと考えます。重要イベントを見据え、両相場の動向を注目し続けたいと思います。

 [参考]貴金属関連の具体的な投資商品例

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純金積立

金(プラチナ、銀もあり)

国内ETF/ETN

1326 SPDRゴールド・シェア
1328 金価格連動型上場投資信託
1540 純金上場信託(現物国内保管型)
2036 NEXT NOTES 日経・TOCOM金ダブル・ブルETN
2037 NEXT NOTES 日経・TOCOM金ベアETN

海外ETF

GLDM SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト
IAU iシェアーズ・ゴールド・トラスト
GDX ヴァンエック・ベクトル・金鉱株ETF

投資信託

ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)
三菱UFJ純金ファンド

外国株

ABX Barrick Gold:バリック・ゴールド
AU AngloGold:アングロゴールド・アシャンティ
AEM Agnico Eagle Mines:アグニコ・イーグル・マインズ
FNV フランコ・ネバダ
GFI Gold Fields:ゴールド・フィールズ

国内商品先物

金・金ミニ・金スポット・白金・白金ミニ・白金スポット・銀・パラジウム

海外商品先物

金、ミニ金、マイクロ金(銀、ミニ銀もあり)

商品CFD(金・銀)

[参考]原油関連の具体的な投資商品

国内ETF/ETN

WTI原油上場投資信託 (東証)1690
NF原油インデックス連動型上場(東証)1699
NEXT NOTES 日経TOCOM原油ブル2038
NEXT NOTES 日経TOCOM原油ベア2039

投資信託

UBS原油先物ファンド

外国株

エクソンモービルXOM
シェブロンCVX
トタルTOT
コノコフィリップスCOP
BPBP