OPECプラス会合、FOMC、COP26、G20。通過したイベントを総括する

 先週は、実にあわただしい1週間でした。OPECプラスの会合、FOMC(米連邦公開市場委員会)、COP26、G20など、世界規模の影響を生む会合が相次ぎ、各分野の当事国が、原油生産、金融政策、環境対策などについてそれぞれ話し合い、今後の方針を示しました。

図:2021年10月末から11月初めに行われた主な会合 [1]

出所:筆者作成

 11月4日(木)、大きな関心が集まった「第22回OPEC・非OPEC閣僚会議」が行われました。OPECプラスは、「追加増産せず」「主要国の要求に応じず」という、従来の方針を堅持しました。

 その前日、11月3日(水)、2日間にわたったFOMCが終了しました。会合後の会見で、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、「11月から資産の買取り額の減額(テーパリング)を開始する」「利上げは今のところ想定していない」と、おおむね予想通りの発言をしました。

 その前日、11月2日(火)、2日間にわたったCOP26の「ワールド・リーダー・サミット」が終わりました。参加した国の代表団たちは、温室効果ガス削減目標や、火力発電向けの石炭消費量を削減する方針を確認しました。さらにバイデン米大統領は「メタン」の削減の必要性について、言及しました。

 その前々日、10月31日(日)、2日間にわたったG20サミットが終わりました。バイデン大統領は「原油高」をけん制すべく、主要産油国へ増産を要請したり、さらなる温室効果ガス削減を主要国に呼びかけたりしました。

 このように先週は、複数の世界規模の影響を生む大きなイベントを通過したわけですが、これらのイベントは市場に何を残したのでしょうか。新たに生じたもの、程度が大きくなったもの、さまざまなものが挙げられます。

図:2021年10月末から11月初めに行われた主な会合 [2]

出所:筆者作成

 4つの会合は、「原油」「脱炭素」「米金融政策」の3つのテーマで結ばれています。上図のとおり、これらのテーマは「産油国と消費国の間の溝が深まった」「脱炭素を巡る主導権争いがさらに激化した」「メタン削減が及ぼす負の影響を認識しなければならなくなった」「ドルキャリー取引の逆流が発生する懸念が強まった」など、さまざまな懸念を残したと、言えます。