バイデン氏の行動が、コモディティ市場全体を左右する!?

 はじめに、先週開催された4つの会合は、「原油」「脱炭素」「米金融政策」の3つのテーマで結ばれており、これらのテーマは「産油国と消費国の間の溝が深まった」「脱炭素を巡る主導権争いがさらに激化した」「メタン削減が及ぼす負の影響を認識しなければならなくなった」「ドルキャリー取引の逆流が発生する懸念が強まった」など、さまざまな懸念を残したと、書きました。

 こうした懸念の源泉は、何なのか? と問うと、ふと、米国(バイデン大統領)というキーワードが浮上します。以下は、4つの会合で重要なテーマとなった「原油」「脱炭素」「米金融政策」と、米国(バイデン大統領)との関係を示したものです。

図:足元の不安要素の起源

出所:筆者作成

「OPEC+に追加増産をさせられない」「OPEC+から、逆に増産を提案される」「メタン削減を提唱した」「中印などに、温室効果ガス排出削減を要求した」「テーパリングを開始した」など、各所で不安・懸念を生じさせるきっかけとなったのは、米国でありバイデン大統領である可能性が高いと、筆者は考えます。

 世界が良い方向に向かうことを前提に、彼らは尽力していると信じています。今はまだ、彼らの尽力が実を結ぶまでの、過渡期であるため、不安や懸念が生じるのは、無理もありません。ただ、会合が続いたからとはいえ、やや性急だった感も否めません。

 バージニア州知事選での民主党議員が敗北する前から、具体的には、米軍のアフガニスタン撤退を実行した夏以降、バイデン氏の支持率低下・不支持率上昇が目立ち始めています。来年の中間選挙のためにも、何とか立て直しを図らなければなりません。

 そのためには、強いリーダーシップを発揮することが必要で、先週1週間は、バイデン氏にとって強いリーダーシップを発揮するチャンスだったわけですが、週明けも、OPECプラスの思惑通り、原油相場が上昇している点や、不安拡大を受けて金(ゴールド)相場が上昇している点を考えれば、OPECプラスとの交渉がうまく進められなかった、さまざまな不安が拡大した(拡大させた)1週間だったと言えそうです。

図:バイデン米大統領の支持率・不支持率

出所:Real Clear Politicsのデータより筆者作成

 今のところ、先週のように、性急に不支持率を低下させる行動をすると、市場は逆の反応を示す傾向があります。こうした行動は、週明けの各種市場が示すとおり、原油高・食品高・金(ゴールド)高につながります。(「メタン削減」発言前後、米国の生牛先物価格が大きく上昇している)

 今後も、バイデン氏の行動と、コモディティ市場全体の推移に、要注目です。

※年内の原油、金(ゴールド)、銅の価格見通しについて、以下で述べています。ご参照ください。

年内の価格見通し。金(ゴールド)、原油、銅が「脱炭素」で値上がりするワケ

[動画で解説]年内の価格見通し。金(ゴールド)、原油、銅が「脱炭素」で値上がりするワケ

[参考]コモディティ全般関連の具体的な投資商品例

投資信託

eMAXISプラスコモディティインデックス

SMTAMコモディティ・オープン

iシェアーズコモディティインデックスファンド

ダイワ/「RICI(R)」コモディティ・ファンド

DWSコモディティ戦略ファンド(年1回決算型)Aコース(為替ヘッジあり)

DWSコモディティ戦略ファンド(年1回決算型)Bコース(為替ヘッジなし)

外国株

iPathピュア・ベータ・ブロード・コモディティ(BCM)

インベスコDB コモディティ・インデックス・トラッキング・ファンド(DBC)

iPathブルームバーグ・コモディティ指数トータルリターンETN(DJP)

iシェアーズ S&P GSCI コモディティ・インデックス・トラスト(GSG)

[参考]貴金属関連の具体的な投資商品例

 楽天証券の純金積立「金・プラチナ取引」はこちらからご参照ください。

純金積立

金(プラチナ、銀もあり)

国内ETF/ETN

1326 SPDRゴールド・シェア
1328 金価格連動型上場投資信託
1540 純金上場信託(現物国内保管型)
2036 NEXT NOTES 日経・TOCOM金ダブル・ブルETN
2037 NEXT NOTES 日経・TOCOM金ベアETN

海外ETF

GLDM SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト
IAU iシェアーズ・ゴールド・トラスト
GDX ヴァンエック・ベクトル・金鉱株ETF

投資信託

ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)
三菱UFJ純金ファンド

外国株

ABX Barrick Gold:バリック・ゴールド
AU AngloGold:アングロゴールド・アシャンティ
AEM Agnico Eagle Mines:アグニコ・イーグル・マインズ
FNV フランコ・ネバダ
GFI Gold Fields:ゴールド・フィールズ

国内商品先物

金・金ミニ・金スポット・白金・白金ミニ・白金スポット・銀・パラジウム

海外商品先物

金、ミニ金、マイクロ金(銀、ミニ銀もあり)

商品CFD(金・銀)