先週の結果

自民党の絶対安定多数の結果を受け、日経平均は2万9,880円まで上昇も3万円届かず

 衆院選の結果について大方の見方は、自民党の議席数は予想ほど減少しないという流れが出てきたことで、先々週に引き続き2万8,500~2万9,500円のレンジでの動きを予想。選挙結果がそれほど悪くなければ、このレンジの上限の2万9,000~2万9,500円も考えられました。

 フタをあけてみると野党連合がさえず、自民党は前回議席を少し減らした程度で、絶対安定多数を維持しました。

 ほとんど誰もが予想しなかったこの結果を受け、岸田政権の安定化で経済対策が期待され、11月1日(月)は売りに回っていた外国人の買い戻しが入り、日経平均相場のレンジが2万9,000~3万円と一段切り上がりました。この日は2万9,267円から2万9,666円までの上昇となりました。

 このまま一気に3万円という市場の見方もありましたが、休日やFOMCを控えており、日経平均は4日(木)に2万9,880円まで上昇後、利益確定売りに押され週末の5日(金)は2万9,611円で引けました。

 11月1日(月)は、衆院選で絶対安定多数の261議席を自民単独で守ったことを好感し、日経平均は+437円の2万9,330円で寄り付くと、その後は2万9,500円水準を下値にもみ合いました。

 大引け間際には+774円の2万9,666円まで上昇し、日経平均の終値は2万9,647円でした。この日の上昇で衆院選の勝利という好結果は、とりあえず織り込んだことになり、後はFOMCや岸田政権の政策次第ということになってきます。

 2日(火)は、前日の米国市場で主要3指数そろって連日の最高値更新となっていましたが、前日の大幅上昇の反動で日経平均は▲184円で寄り付き、休日とFOMCを前に様子見から利益確定売りが優先し、終値は▲126円の2万9,520円と反落しました。

 3日(水)は、日本は休場でしたが、前日の米国市場では主要3指数が3日連続で最高値更新でした。

 4日(木)は、前日の米国市場で主要3指数が引き続き4日連続の最高値更新となったことで、日経平均は前場の早い段階で+359円の2万9,880円まで上昇。3万円まであと少しでしたが、時間外取引で米株先物が下げに転じたことで、上値は重くなり安値圏でのもみ合いが続きました。

 その後、後場の取引終了間際には買い戻され、日経平均は+273円の2万9,794円で引けました。3日のFOMCでは、11月中のテーパリング開始が決定されましたが、FRB議長による「インフレは一時的」「利上げには連結しない」という発言があり、相場にはそれほど影響は与えませんでした。

 5日(金)の日経平均は、前日の米国市場でS&P500とナスダックは最高値更新したものの、NYダウが▲33ドルと反落したことやハンセン指数の下げ、日経平均の3万円接近や週末要因、米10月雇用統計発表前などで利益確定売りが優勢に。日経平均は一時▲290円の2万9,504円まで下げ、結局終値は▲182円の2万9,611円で引けました。

 日本市場引け後の米国市場は、主要3指数がそろって再び史上最高値を更新しました。10月雇用統計は非農業部門雇用者数が市場予想の45.0万人増を上回り、53.1万人増となったことで、景気回復への楽観的見方が広がったことが要因です。

 また、ファイザー社のHIV(ヒト免疫不全ウイルス)治療薬が新型コロナの重症化リスクを89%低下させるニュースも経済活動正常化期待を高めました。

 シカゴ日経先物は、為替が1ドル=113円台前半の円高となったことで、+80円の2万9,705円にとどまりました。