今後、投資してみたい金融商品・国(地域)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 吉田 哲

 今回は、毎月実施している質問「今後投資してみたい国(地域)」で、「国内株式」「外国株式」を選択した人の割合と、それらを選択した人の年代別の割合に注目します。

 質問「今後、投資してみたい金融商品」は複数選択可で、選択肢は、国内株式、外国株式、投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(上場不動産投資信託)、国内債券、海外債券、FX(外国為替証拠金取引)、金やプラチナ地金、金先物取引、原油先物取引、その他の商品先物、特になしの13個です。

図:質問「今後、投資してみたい金融商品」で「外国株式」「国内株式」を選択した人の割合

出所:楽天DIのデータをもとに筆者作成

 9月の調査では、「国内株式」を選択した人の割合が56.03%、「外国株式」が46.14%でした。「外国株式」が「国内株式」を上回る、統計史上初の出来事は起きていないものの、この数カ月間、2つは50%前後で肉薄した状態が続いています。

「国内株式」も「外国株式」も、ほぼ50%、つまり、どちらも、回答者のおよそ半分に選ばれています。以下のグラフは、「国内株式」と「外国株式」を選択した回答者を、年代別に示したものです。(重複回答を除く)

図:「国内株式」と「外国株式」それぞれの回答者の年代別の割合(重複回答を除く)

出所:楽天DIのデータをもとに筆者作成

「国内株式」が「外国株式」を上回った年代は、60代から80歳以上の3つです。逆に、「外国株式」が「国内株式」を上回った年代は、50代以下の全てです。年代が高いほど「国内株式」を、低いほど「外国株式」を、より強く選好する傾向があると言えます。

「外国株式」について、筆者は、投資活動などさまざまな分野で新しいものを積極的に取り入れる若い方々に選ばれているというイメージを抱いていましたが、実際はそうではなく、「50代」の皆様においても、「国内株式」よりも「外国株式」を選ぶ方が多くなっています。

 今後、「外国株式」を選ぶ方々の年齢層が、今にも増して高くなれば、「外国株式」を選ぶ方の割合が「国内株式」を上回る事態が発生するかもしれません。引き続き、「国内株式」と「外国株式」の年代別の割合に、注目したいと思います。

表:今後、投資してみたい金融商品 2021年10月調査時点 (複数回答可)

投資対象 割合 前回比
国内株式 56.03% △ 3.18%
外国株式 46.14% ▼ 2.84%
投資信託 41.27% △ 2.40%
ETF 32.48% △ 0.96%
REIT 13.64% ▼ 0.31%
国内債券 5.05% △ 0.98%
海外債券 7.68% △ 1.22%
FX(外国為替証拠金取引) 7.20% ▼ 0.17%
金やプラチナ地金 14.79% △ 0.46%
金先物取引 1.37% ▼ 0.41%
原油先物取引 2.39% ▼ 0.18%
その他の商品先物 1.59% ▼ 0.27%
特になし 7.35% ▼ 0.40%
出所:楽天DIのデータより筆者作成

表:今後、投資してみたい国(地域) 2021年10月調査時点 (複数回答可)

国名 割合 前回比
日本 43.24% △ 9.24%
アメリカ 68.34% ▼ 1.98%
ユーロ圏 8.24% △ 0.18%
オセアニア 5.07% △ 0.83%
中国 7.00% ▼ 3.42%
ブラジル 2.30% ▼ 0.04%
ロシア 1.24% ▼ 0.10%
インド 31.92% △ 4.34%
東南アジア 16.32% △ 0.61%
中南米(ブラジル除く) 1.66% ▼ 0.28%
東欧 1.64% △ 0.26%
アフリカ 5.96% △ 0.30%
特になし 6.04% ▼ 0.86%
出所:楽天DIのデータより筆者作成