値上がり率ランキング(5銘柄)

1 グローバルウェイ(3936・東証マザーズ)

 9月の株式5分割後、信用取引での買いが過熱したことで東証が増担保規制をかけてクールダウン。ド派手な値動きも沈静化して迎えた10月でしたが、まさかの月間4.3倍高に! 大型分割も終わり、ひと相場終わったか? と見せかけてからの再動意…そのきっかけは、またしても株式分割でした。

 同社は12日、11月3日時点の株主を対象とした3分割を発表。しかも、その発表タイミングは前述の増担保規制の解除を東証が発表した直後でした。

 信用規制の解除と株式分割の合わせ技に、翌13日は当然のようにストップ高買い気配で反応。ここからストップ高を連発させながら、株価は大暴騰します。大台1万円(11月の3分割考慮前株価ベース)目前で一度失速するも、3分割直前に再度ヒートアップ。

 暗号資産の「タイムコイン」の売却による小幅な上方修正から始まりましたが、まさかここまで発展するとは…破壊神恐るべし。

2 INCLUSIVE(7078・東証マザーズ)

 グローバルウェイ劇場前でいえば、マザーズの今年最大の上昇率銘柄だったのは同社でした。ホリエモンこと堀江貴文氏が同社の大株主となったことで話題になり、株価が大きく上昇したところで3分割を発表。グローバルウェイ劇場の先例だったようにも思われます。

 昨年末の株価は300円(株式分割考慮後)程度でしたが、それが4月高値2,576円まで8倍以上に大暴騰。その高値から、10月25日の751円まで、わずか半年で株価は7割減という、株の恐ろしさを示すような事例でもありましたが…。

 そのINCLUSIVEが再ブレイクし、まさか4月高値をぶち抜くほど上昇するとは、これまた株は恐るべし…。着火のきっかけは、26日正午のリリースでした。北海道にあるISTというベンチャー企業との資本提携で合意したと発表。

 このISTは、観測ロケットや小型衛星を開発・製造しており、堀江貴文氏も出資する宇宙ベンチャー。今回の資本提携後に宇宙産業領域への進出を検討するようです。

3 シーズメン(3083・ジャスダック)

 流動性が極めて低い、ジャスダックのマイナー超小型株に、今が旬のテーマ性が付いたことで想像以上の急騰劇へ。22日、同社は外神田商事との業務提携を通じて、メタバースファッション事業に参入すると発表。

 ネット上の仮想空間「メタバース」は、米フェイスブックが年間1兆円投じ、社名をメタに変更したことで10月下旬から関心が急激に高まりました。その流れとタイミングが合ったこともあり、メタバース関連銘柄として知名度を一気に上げた格好に。

 シーズメンはアメカジ系のアパレルメーカーですが、メタバースファッション事業とはどういうものなのでしょうか? 同社リリースによれば、「アバター」の独特な服を普段使いできるファッションとして再デザインし、現実の衣料品として商品化するそうです。

 また、現実の衣料品をメタバースのアバター用に変換する事業も検討しているそうです。イマイチ収益化につながるイメージは湧きませんが、業績インパクトより“メタバース関連銘柄”に認定されたことが何より大きかったようで…。

4 リベロ(9245・東証マザーズ)

 9月28日に東証マザーズ上場を果たしたばかりの直近IPO銘柄。その直近IPO銘柄の中でも、当初は最も人気薄のマザーズ銘柄といった位置付けでした。

 公開価格は1,400円で初値は1,940円、その後は公開価格を下回ると上場来安値を切り下げる一方。そして、出来高もIPOとは思えないほど激減していました。そんな状況が一変したのは、いちよし経済研究所による投資判断「買い」、目標株価4,000円での新規カバレッジ開始でした。

 こうしたレポートで上がること自体は珍しくないのですが、今回は非常にレア事例といえます。11日付だったため、上場からわずか10営業日。そんなタイミングでIPO株にレーティングが付く自体珍しいうえに、時価総額60億円程度の小型株にレーティングを付けることも珍しいことです。

 また、その時点の株価の3倍以上の目標株価設定だったこともサプライズで、一躍直近IPOの人気銘柄に。こういうIPO直後銘柄への買い推奨レポート、これから増えるのでしょうか?

5 アスタリスク(6522・東証マザーズ)

 9月30日に東証マザーズ上場を果たした直近IPO銘柄で、流動性も含めて10月の月間MVP銘柄といえます。モバイル機器などに装着するバーコードリーダーやRFIDリーダーを「AsReader」というブランド名で大企業や病院など幅広い顧客層に提供しているベンチャー企業です。公開価格は3,300円で、初値は5,760円でした。

 この銘柄がセカンダリーで人気化したきっかけは、上場後最初の決算発表でした。8月決算企業ですので、今回発表分は本決算。上場直後は情報が少ないため、どういったガイダンスを出すのか? は未知数です。

 そんな状況で出した最初のガイダンスは、今2022年8月期の売上高が前期比40%増の25億円、営業利益が同71%増の3.87億円でした。自動販売機メーカー、流通業者向けで大型案件の成約が見込めるようで、伸び率の高さにポジティブサプライズが発生。

 これといった類似企業も見当たらないこと、値がさ株となったことで短期資金が集まりやすかったこと―などもあり、発行済み株数を超えるような出来高を記録する日も発生しました。