配当金目的で銘柄選びをする際に重要なのは「配当利回り」ではない!

 前回のコラム「配当利回りで投資判断、本当にいいの?失敗しない高配当株の選び方」で、配当金目的で銘柄選びをする際、単純に配当利回りが高いか低いかでの判断は、リスクが高いことをご説明しました。

 配当利回りが高いからというだけの理由で、特に深く考えずに株を買ってしまうと、将来的に配当金が減額されて、「配当金ももらえない、株価も大きく下がってしまう」というダブルパンチに見舞われるリスクがあるのです。

 配当金目的で銘柄を選ぶときは、配当利回りを参考にしないことはありませんが、実は配当利回りと共に、必ず見ておくべき重要な投資指標があるのです。それが「配当性向」です。

「配当性向」とは何か?

 配当性向は、利益のうちどのくらいの割合を配当金に回しているかを表したもので、下記の式で計算されます。

配当性向=1株当たり配当金÷1株当たり当期純利益

 例えば、1株当たり当期純利益が100円の場合、1株当たり配当金を60円出しているなら、配当性向は60円÷100円=60%となります。

 通常、配当金は会社が当期に得ることのできた利益(=当期純利益)の範囲内で、株主への配当金を支払います。

 この配当性向から分かることの一つに「無理をして配当を行っていないか」があります。配当性向が高ければ高いほど、当期純利益のうちの多くを、配当金に回していることになり、無理な配当をしている可能性があります。

 ここで、「当期純利益の大部分を配当金に回している、株主に多額の利益還元をするいい会社なのではないか?」と考える方がいらっしゃるかもしれません。

 確かに株主に多額の還元をしてくれること自体はいいことなのですが、要はそれを「無理して行っていないかどうか」がポイントなのです。