今週の指標:ドル/円

 FRB(米連邦準備制度理事会)が、11月中にテーパリング(量的緩和の段階的縮小)に着手する可能性があることから、ドルは伸び悩むことが想定されます。

 ただし、今週発表される経済指標が市場予想を上回る場合は、ドル買いは継続する可能性もあります。その場合は、1ドル=115円近辺では輸出企業のドル売りも懸念され、一段のドル高は抑えられます。

 一方で、中国の恒大集団の債務危機が広がれば、リスク回避的な円買いが広がる可能性は残されています。

先週の動き

 先週のドル/円は堅調。米長期金利の下げ渋りや原油高を意識し、リスク回避的なドル売りは縮小し、週始めに1ドル=113円台へ上昇しました。原油相場は堅調に推移したことで、週後半はドル買い・円売りが活発となりました。

 15日には9月米小売売上高の増加で長期金利が上昇し、ドル買い優勢となり、一時2018年10月以来となる1ドル=114.46円まで上昇しました。その後は、11月中にFRBがテーパリングを開始するとの思惑で、ドルは下げ渋り、1ドル=114.20円で引けました。