8月雇用統計のレビュー

 前回8月の雇用統計は、NFPは75.0万人増加の予想に対して23.5万人増にとどまり、マーケットを大きく失望させました。

 サービス業、運輸・倉庫業、製造業の雇用が堅調だった一方で、コロナ後の経済再開の雇用増のけん引役として期待されていた小売業は早くも鈍化。米国で広がったデルタ変異株が影響したと思われます。7月分が105.3万人に上方修正になりましたが、焼け石に水でした。

 平均労働賃金は、前月比0.6%増、前年比4.3%増。経済再開に伴う労働需要の増加が賃金の上昇圧力となっている可能性が指摘されています。

 ただし、平均時給は業種によって大きく異なり、また2020年2月以降の雇用の変動が大きいため、平均時給の動向の精確な予測はまだ難しい状況。