岸田新総裁をマーケットはどう見るか?

 29日に投開票された自民党総裁選で、岸田文雄氏が新総裁に選出されました。1回目の投票では1票差でトップでした。ただし、過半数に達していなかったことから2位の河野太郎氏と決戦投票となりましたが、決戦投票でも勝って新総裁に決まりました。

 新総裁を、株式市場はどう見るでしょうか。日本株を動かしているのは外国人投資家ですから、外国人にどう見えるかが鍵となります。

 私は、新総裁が自民党を結束させ、河野・高市陣営も含めた挙党体制を組めるならば株式市場にとって(外国人投資家の目から見て)ポジティブと考えます。

 岸田新総裁は、総裁候補者であった4人のうちで、もっともバランス感のすぐれた総裁と考えられています。したがって、河野・高市・野田陣営も取り込んで挙党体制を組みやすいと言えます。今後の組閣人事が重要な決め手となります。

 投資家の多くは、高市氏が打ち出していたリフレ策に期待していました。岸田新総裁も「年末までに数十兆円の経済対策を策定する」と表明しており、同様の期待が寄せられます。

 投資家は、河野氏が進める構造改革・デジタル庁活用にも期待していました。岸田新総裁の組閣人事によって、その期待も続く可能性があります。

 まだ、具体的な政策や組閣が発表されていないので、これ以上わかりませんが、とりあえず政局への期待はまだ続くと考えています。

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