個人投資家はどのように対応するべきなのか?

 では、このようなことを踏まえ、個人投資家としてはどのように対応するべきなのでしょうか?

 まず、敵対的買収を仕掛けられた側(買収される側)の株をもともと保有している場合、すぐにTOBに応募するのではなく、しばらく様子を見るのが一考です。

 もし、ホワイトナイトが現れて、より高い買い取り価格が提示されれば、それに応じて株価もさらに上昇することが期待できるからです。

 買収される側の株を保有していない場合も、ホワイトナイトの登場により株価が今よりも上昇することに期待するのであれば、新規に買うのも選択肢です。

 ただし、ホワイトナイトが登場せず、買取価格の引き上げが実現しなかった場合は株価の上昇は期待できませんし、TOBの応募期間が終了すれば、買取価格で買ってくれることもなくなるため、株価は下がる可能性も高いです。

 さらには、TOBに応募しても、申し込みがあった全ての株を買うというケースでなければ、TOBの買取価格で買い取ってもらえない可能性もあります。

 ですから、ホワイトナイト登場による株価上昇の期待と、ホワイトナイトが現れずTOBが成立した場合のその後の株価下落のリスクをてんびんにかけ、期待リターンがリスクに見合う投資だと判断するなら、実行すればよいと思います。