クイズのまとめ

 本レポートでは、4つのクイズを出題しました。問いと答えは以下のとおりです。

問1 原油生産量No1は、サウジ?米国?
→ 答:米国

問2 石油消費量No1は、中国?米国?
→ 答:米国

問3 なぜ、米国と中国は石油の戦略備蓄を放出しているのか?
→ 答:将来的に使わなくなることをアピールするため。 (筆者考察)

問4 なぜ、「必要性の低下」が相場に上昇圧力をかける可能性があるのか?
→ 答:売り手の意向が、市場に反映されやすくなるため。 (筆者考察)

 冒頭で述べたとおり、賞味期限は3年くらいだと(特に問1・2)、筆者は考えています。米国が国内の世論を反映して「脱炭素」を強めて石油産業が縮小している可能性があること(米国の原油生産量と石油消費量に影響。産業の縮小は両方の縮小につながる)、OPECプラスの減産が終了して増産をしている可能性があること、などがその理由です。

 また、米国については、政策的に「脱炭素」を進めているため、2022年の中間選挙、2024年の大統領選挙で、同国の「脱炭素」をめぐる方針に、なにか変化があるかもしれません。

 以下は、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格の推移です。昨年4月にマイナス価格をつけた、物価動向に影響を与えるため目先の米国の金融政策の方向性を探る上でヒントになる、など何かと話題が豊富な市場です。

図:WTI原油先物価格の推移(月足 終値) 単位:ドル/バレル

出所:各種情報源より筆者作成

 「脱炭素」は、超長期的にみれば必ずしも、原油市場の下落要因とはいえない、また、以前の「「原油相場100ドル」の願望をかなえる4つの条件」で述べたとおり、需要が減少したとしても株価が上昇して景気が上向くムードがあれば、価格が上昇する可能性がある、と考えます。

「原油価格が高いこと=景気が良いこと」と、原油価格を経済指標の一つとみる市場関係者が増えた場合、彼らの思惑もまた、価格上昇の一因になるかもしれません。

 クイズを通じて、原油市場の今と、今後について筆者の考えを述べました。ご参考になれば、幸いです。

[参考]原油関連の具体的な投資商品

国内ETF/ETN

WTI原油上場投資信託 (東証)1690
NF原油インデックス連動型上場(東証)1699
NEXT NOTES 日経TOCOM原油ブル2038
NEXT NOTES 日経TOCOM原油ベア2039

投資信託

UBS原油先物ファンド

外国株

エクソンモービルXOM
シェブロンCVX
トタルTOT
コノコフィリップスCOP
BPBP