【問2:答え】石油消費量No1は、中国?米国?

【答2】米国

 石油消費量No1は、「米国」です。

 以下の図のとおり、米国の石油消費量は中国の1.46倍程度です。

図:米国と中国の石油消費量 単位:バレル/日量

出所:EIAのデータをもとに筆者作成

 米国の石油消費量の内訳は、ガソリン45%、航空機燃料8%、ディーゼル燃料や暖房用・発電用燃料20%、プラスチック製品向け15%、その他12%です。(EIAのデータより 2021年8月時点)

 石油は、世界屈指の規模を誇る米国経済や米国市民の豊かな生活を、交通・発電・生活必需品の面で支えています。こうした用途で使われる米国の石油消費量は、新型コロナショック直後にロックダウンなどの影響で短期的に急減したものの、その後は回復し、現在はコロナ前と、大きな差はありません。

 中国の石油消費量は、長期的に見れば、緩やかに上昇傾向にあります。2017年1月と2021年8月を比べると、およそ11%、増加しています。新型コロナショックの際、米国と異なり急減しなかったのは、中国のメインのエネルギー源が、石炭だからです。一次エネルギー源のおよそ60%が石炭とされています。(2018年 IEA 国際エネルギー機関の統計より)

 米国のエネルギーの内訳は石油35%、天然ガス34%、再生可能エネルギー12%、石炭10%、原子力9%です。(2020年 EIA 米エネルギー情報局の統計より)この内訳が、先進国の当面のエネルギー内訳のサンプルだとすれば、中国の内訳も将来、このような内訳になる可能性があるでしょう。

 燃焼時の二酸化炭素の排出は、石炭の方が石油よりも多いとされているため(石油は天然ガスよりも多い)、中国は石炭からの脱却を目指すことになると、考えられます。目先的には石油や天然ガスに、超長期的には再生可能エネルギーにシフトするのではないでしょうか。

 では、3問目です。