テーパリング後の利上げ時期に注目

 今回のFOMCではテーパリングの開始時期が注目されていますが、テーパリング後の次の段階となる利上げ時期、すなわち金利見通しにもより注目が高まっています。

 前回6月のFOMCでは、それまでのゼロ金利政策を2023年末迄継続するとの見通しから、

  • 18人の内13人が2023年末までの利上げ再開を見込み、0.25%幅で2回の利上げ見通し
  • 2022年の利上げ見通しも、それまでの4人から7人に増加

 と、ゼロ金利政策の解除時期を前倒しし、2023年中とする見通しを示しましたが、今回、前回よりも利上げ時期をさらに前倒しで見るメンバーが増えるかどうかにマーケットは注目しています。

 つまり、2022年、2023年に利上げを見通すメンバーが増えるかどうか、また、その先2024年の利上げ見通しがどうなるかにも注目しています。今回、テーパリングについての決定が何もなくても、金利見通しが前回よりタカ派的であれば、金利は上昇し、ドル高に反応することが予想されます。

 今回のFOMCでは、前回7月からの環境の変化、すなわち、労働市場の改善から足踏み、景気の停滞感、株の高値圏での足踏み、物価の一服感という変化の中でどのような判断や見通しになるのか注目です。また、デルタ株の感染拡大はパウエル議長もリスクとして認識していますが、特に子供への感染が拡大している中でどういう判断になるのか注目です。

 米国では9月の新学期を迎え、学校の再開が本格化しています。NY市ではこれまでは対面かオンライン授業かを選択できましたが、13日からはオンライン授業を取りやめ、対面授業が全面再開しました。感染対策として公立校の全職員に対してワクチン接種を義務化したほか、学校でのマスク着用を求めています。

 ただ、州によって感染対策の差は大きい状況のため、学校の全面再開が感染拡大のきっかけにならなければよいのですが、米国小児科学会(AAP)の調査によると、9日までの1週間で子どもの感染者は24万人を超え、過去2番目の大きさとなっているそうです。

 BSのワールドニュースを見ていると、連日、米国の子供の感染問題がトップニュースに挙げられています。それを見ていると、いずれ日本にも起こるのではないかと懸念されます。