個人投資家がやってはならないこと(1)日々の株価の乱高下に翻弄

 こんな中、個人投資家としてはいつも以上に気をつけておかないと、株価の乱高下に翻弄(ほんろう)されてしまいます。

 例えば、総裁選に絡む報道で日経平均株価が500円値下がりしたため、その後の下げを心配して売ったら、翌日は逆に500円値上がりしたのであわてて買い戻す、でもその翌日急落したので買ったばかりの株を投げ売る…。こんなことを繰り返していたら、損失が日々ふくらんでしまいます。

 余計な売買を繰り返すことにより、損失が積み上がっていくのを避けるためには、売買についてのルール、しかも日々の株価に翻弄されない客観的なルールを設定し、それを順守することが求められます。

個人投資家がやってはならないこと(2)将来の株価の決めつけ

 もう1つやってはならないこと、それは将来の株価を決めつけて行動することです。

 例えば次のようなものです。

「自民党総裁選は財政・金融緊縮派が当選するはずだ。将来の株価は下がるはずだから、今のうちから保有株は売却し、さらに空売りを仕掛けておこう」

「自民党総裁選は財政・金融緩和派が当選しそうだ。将来株価は大きく上昇するに違いないから、今のうちから大量に買っておこう」

 でも、将来の事象、ひいては将来の株価がどうなるかを決めつけ、それに沿った投資行動をするのはリスクが高いことです。将来の予想が当たればもちろん大きな利益を得ることができますが、逆に予想が外れたならば大きな損失につながってしまう行為です。

 ハイリスクであることを承知で、将来の株価がどうなるかを予測してそれにベットし、外れても仕方ないと初めから割り切って行うのであれば無理に止めることはしません。でも、大きな損失を防ぎたいのであれば、やはり将来の株価を予想してそれに賭けることは避けた方がよいでしょう。