「積立投資」は、2つの条件がそろった時、利益が大きくなる

 大人気投資信託の「正」と「逆」の価額推移をもとに、積立投資の鉄則とも言える2つの要素を確認しました。冒頭でも述べた「効率的に数量を増やすこと」、そして「効率的に収益化すること」です。価格が、「今は低位安定」そして「最後に上昇」することが重要です。

図:積立投資の効率を高めるために必要な2つの条件

出所:筆者作成

 コロナ禍に入り、米国の主要株価指数を「とっかかり」として積立をはじめた方の中で、未来永劫、価格が上昇し続けることは難しいだろう…と感じている方は特に、「積立」をする対象を見直す準備をしてみるのも、一計だと思います。(全額ではなく、現在積立投資に振り向けている資金一部でも)

プラチナ相場はこの数年間、積立の鉄則「低位安定」だった

 以下は、当社のプラチナと金(ゴールド)の積立価格の推移です。プラチナの積立価格は、足元、1グラムあたり3,500円近辺で推移しています。

 これは、以前の「プラチナ相場はフォルクスワーゲン問題の呪縛から解放されたか」で述べた、ドイツ自動車大手フォルクスワーゲンのスキャンダル発覚を機に出現した、プラチナの主要用途である自動車の排ガス浄化装置向け需要が急減するという、まことしやかに語られたうわさによって価格が低迷した時期の水準です。

 かたや、同じ貴金属の金(ゴールド)は、2020年8月に史上最高値となる1グラムあたり7,000円をつけるなど、長期的には強い状態が続いています。「低位安定」は、どちらか、答えはプラチナでしょう。

 もちろん金(ゴールド)も、「金(ゴールド)、「あわよくば年内2,000ドル達成」シナリオを描く上での留意事項」で述べたとおり、今後も上値を伸ばす可能性がある投資対象だと、筆者は考えています。

図:金(ゴールド)とプラチナの積立価格

出所:楽天証券の金・プラチナ取引のデータより筆者作成

 本レポートの趣旨である「積立」という点で言えば、長期的に「低位で安定」してきたプラチナはその趣旨に合致します。また、「最後に上昇」も期待できるかもしれません。