バイデン政権、FRB、あなた方もか!?

 昨年11月にトランプ氏から大統領の座を奪い取ったバイデン氏でしたが、一部の報道では、バイデン氏が、トランプ氏の専売特許だった「米国第一主義」を推し進めていると、ささやかれています。

 アフガンからの撤退は、米国の軍事費縮小、米国国内の世論に配慮、など「米国都合」の要素が強く、それでいて、アフガンやその周辺国であるイラン、中国、ロシアなどのパワーバランスを乱す可能性があり「世界全体のためにならない」と、とらえられているためです。

 また、FBR(米国の中央銀行にあたる)が議論しはじめているテーパリングも、同じような側面があります。テーパリングは、米国の金融政策の正常化に向けた策であるため「米国都合」の要素が強く、それでいて、足元、世界中のさまざまな市場が不安定化していることの一因になっているため「世界全体のためにならない」と、とらえることができます。

「米国第一主義」は昨年の米大統領選挙で、バイデン氏によって完全に否定されました。にもかかわらず、バイデン政権も、そしてFRBも、「その意図はない」「結果として」ではあったとしても、それと同様の意味の策を打ち出しているわけです。

 米国で「米国第一主義」化がじわりと進行していることで、これまで政権交代や金融緩和実施によって事態改善を期待して膨らんだ「正のエネルギー」は、吹き飛んだといってよいでしょう。

図:意図的ではないが、「米国第一主義」が再来か

出所:筆者作成