値上がり率ランキング(5銘柄)

1 グローバルウェイ(3936・東証マザーズ)

 彗星(すいせい)のごとく現れ、株価急上昇で知名度も急上昇した銘柄。株価急騰のきっかけは、21日に発表した通期の純利益の上方修正でした。上方修正の理由は、傘下にあるスイスの会社が手掛る仮想通貨“タイムコイン”を一定数売却することで、営業外収益が増加(純利益で6,500万円上振れ要因)したためと…。

 さほど強材料にも見えないものの、発表翌日から月末30日まで5営業日連続でストップ高に(ついでに8月2日、3日もストップ高)。後講釈すら難しい展開でしたが、あえて言うなら、「持ってる人が少ない銘柄だった」というのが仕手株化した要因でしょうか。

 この発表前の同社株の信用買い残は約4,000万円、1日の売買代金は約200万円でしたので、ほとんどの投資家が持っていなかった(そもそも知らなかった)…その株に短期資金が大挙したことで、とてつもない需給ギャップが発生したのだと思います。

2 プロルート丸光(8256・ジャスダック)

 小型低位株の意外なコロナ関連材料が大きな刺激に。同社が子会社化を予定していたマイクロブラッドサイエンスが、新型コロナウイルス治療薬の開発で変異株に対応できる有望な結果を示したと、9日にリリース。材料株を買い上がるのは信用買いの個人投資家で、13日より日々公表銘柄に指定され、21日から信用規制も発動しました。

 信用取引の規制に関しては随時ネガティブな反応を示すも、21日引け後にマイクロブラッドサイエンスの子会社化を正式発表。翌日急騰したのを最後にピークアウトしましたが、小型株かつ衣料品問屋大手が出した意外なコロナ関連材料に乗っかる個人投資家は多かったようです。

3 ツクルバ(2978・東証マザーズ)

 月初から急騰、きっかけは6月末に関東財務局に提出した有価証券届出書でした。ソフトバンクグループの前副社長の佐護氏が、同社の第三者割当増資の割当先(増資後の保有比率で2.3%相当)と判明したことが手掛かりに。

「佐護氏が買うならいいんじゃないか?」と感じる投資家が多かったようです。その佐護氏は、純投資で長期保有する方針とメディアで伝わっていました。

 材料の迫撃弾が投下されたのが9日。知名度の高いマネーフォワードと業務提携すると発表したことで再動意し、過熱していたところに燃料を入れたような展開へ。マネーフォワードと提携し、不動産所有者向けサービスの企画開発を2022年内に始めるそうです。強そうな材料ですので、2022年内にきっちり成果を見せてほしいもので…。

4 関通(9326・東証マザーズ)

 14日に発表した業績の上方修正と株式分割で急騰。関通は、3カ月前の決算発表翌日もストップ高、今回も発表翌日にストップ高…決算に強い株といえそうです。14日に今2021年3-8月期の業績上方修正を発表。営業利益予想を前年同期比2.5倍の3.2億円に上方修正(従来予想は1.9億円)しました。通期予想は据え置いています。

 また、同時に発表した8月末の株主を対象にした株式3分割がサプライズとなりました。発表翌日はストップ高買い気配で終了し、発表後高値は21日の4,750円で、これが昨年3月上場以降でも最高値に。ポジティブな株価材料が少ない時期だけに、(将来的にプラスかどうかは別として)株式分割の初動の買いインパクトは健在のようです。

5 ウエストHD(1407・ジャスダック)

 新興の大型株でいえば、地合い悪の7月に大幅な値上がりをした希少な大型株でした。太陽光発電関連事業を手掛ける同社は、政策の恩恵を期待できる脱炭素関連として7月に人気化。ただ、業績の好材料はむしろ嫌気され、15日に発表した今2021年8月期の上方修正は出尽くし的な売り要因に。

 バリュエーション面では割安感はないものの、同社は完全なテーマ株(再生エネルギー関連株)。テーマ性をくすぐるニュースのほうが決算材料より強く、7月上昇の原動力になったのもテーマ性に関するニュースでした。

 7月後半は、政府による電源構成の原案を材料視。2030年度にも、総発電量に占める再生可能エネルギー比率を36~38%(原子力は20~22%)にする方向と伝わり、太陽光発電の大量導入を期待した思惑買いで上場来高値を更新しました。