五輪や金メダルは、自分自身の中で「多様性」を紡ぐことの重要性を教えてくれている。

 各種データから、五輪は一定程度、「多様性」を紡いできたと考えられる、と述べました。「多様性」を紡ぐことを、自分自身の中で行うことが、金価格の動向を考える上で役立つと、筆者は考えています。以前の本欄で、何度も述べた「材料を点で見ないこと」につながります。

 以前の「虫になるな!鳥になれ!不安増・株高時、金とプラチナの「二刀流」は有効か?」 の、「質問「なぜ金価格が下がっているのか?」の深層心理。「上がるべき」という謎の自信」で述べたように、「有事と言えば金高」、「株安と言えば金高」などと、材料を点で見ては、現代の金相場を正しく分析することはできません。

 自分自身の中で多様性を紡ぐことは、以下の金市場に関わる6つのテーマを俯瞰する、換言すれば、「同時に尊重する」ことが非常に重要です。この点が、一定程度「多様性」を紡ぐことを体現してきた五輪や金メダルの姿から得られた、金相場の今を説明し、今後を読むために役立つ考え方です。本レポートが、皆さまに役立つことを願っています。

図:足元の金市場の変動要因(イメージ)

出所:筆者作成