先週の結果
週始めのNYダウの急落にツレ安し、3営業日に2万7,330円の安値をつける
日経平均は先週の予測では、東京五輪のための変則連休で、19日(月)~21日(水)の3営業日のための様子見ムードとなるとしました。
ただし、前週末の16日(金)に日経平均は一時2万8,000円を切ったことで、下値を探る可能性もあり、その場合は5月13日の安値2万7,385円、7月9日の2万7,419円と二点底をつくっており、2万7,500円水準で下値固めをしているように見えるものの、その場合は、NYダウの調整がない場合としました。
しかし、結果的にはこの3営業日に、NYダウが新型コロナ感染再拡大を嫌気して、16日(金)から19日(月)の2日間で1,000ドルを超す急落。一時3万4,000ドルを割り込み、これを受けて日経平均も防御ラインとされる200日線(2万7,712円)を割り込み、20日(火)には2万7,330円まで下落しました。
この安値は5月13日の2万7,385円を下回る1月以来の低水準となります。200日線と同時に、ここを切ってきたことでテクニカル面からは厳しい状況になったといえます。
ただ、TOPIX(東証株価指数)は、まだ200日線や直近の安値までは余裕がありますが、先行き不透明感は強くなっているといえます。
一方で企業業績を見ると、各社の収益は期待通りに拡大しており、コロナワクチン接種の進行が効果を発揮してくれば、業績には問題ないといえますので、株価は再評価されることになります。ただ、足元の企業業績は強いため、現時点では、明確な底割れには至っておらず、どのあたりで下値固めをするのかは、米国株(特にNYダウ)次第となっています。
その後のNYダウは、20日(火)、21日(水)と2日連続の大幅高となっており、この時点では、週始めの大幅な下落幅を埋めており、シカゴの日経先物は2万7,950円と2万8,000円に接近しています。
日本市場の21日(水)の引け後の米国市場は、NYダウ採用銘柄の決算が市場予想を上回り、原油高を追い風にエネルギー株が大幅高となり、NYダウは前日20日(火)の+549ドルに引き続き、+286ドルと続伸しました。
主要3指数とも続伸し、NYダウは週始めの大きな下落幅を埋め切りました。
22日(木)は、主要3指数とも3日続伸。新規失業保険申請件数が予想以上に増加したため、景気回復の後退懸念から長期金利が低下して、NYダウはいったん下落したものの、主力ハイテク株が物色され、ナスダック株価指数が上昇して相場全体をけん引しました。
23日(金)の米国市場は、景気回復の腰折れ懸念が和らぎ、主力ハイテク株の好決算期待が強まりました。NYダウは週始めの▲725ドルの下落を4日続伸で埋めて、初めて終値で3万5,000ドルを突破し、主要3指数はそろって最高値更新となりました。
シカゴの日経先物は+620円の2万8,180円と2万8,000円台を回復しています。