今週の予想
NYダウと国内の決算発表を見ながらの2万8,000円台の値固めとなるか
基本的に高校野球の時期は、夏枯れ相場と言われてきました。大きなスポーツイベントがある時は、その傾向になりがちです。
まして今年は世界最大のスポーツ祭典である「東京五輪・パラ五輪」が行われ、一段と閑散相場となり、海外投資家は売り買いを見送ることになります。
また、日本株式の上値の重さはコロナワクチン接種の遅れであり、景気回復は欧米に比べて遅くなるとの見方があり、今あわてて日本株を売買する必要はないとの状況にあると言われています。
連休明けの今週は日本株の決算発表が本格的に始まります。
予想より内容がよければ、コロナ禍の環境でも実績を出していて将来は期待できるという判断となり、少しずつでも日本株は買われてくる可能性があります。
日経平均は、連休前の急落が買い戻しにつながり、連休中の米国株は史上最高値となっていることで、五輪開催期間の今週は、堅調な動きも想定されます。
先週末の米国市場は、予想よりも早く週始めの大幅下落を回復し、日本の2連休も含めて主要3指数は4日続伸となって、史上最高値を更新しました。
シカゴの日経先物は+620円の2万8,180円となっており、今週は2万8,000円台で寄り付いて、その後、順調に2万8,000円台での値固めができるかどうか見極めるところです。
今週は日本企業の決算発表が本格化しますので、予想を上回る大きな戻りが期待できます。市場の関心は、すでに7-9月期以降の業績に向かっており、決算内容が良好なら「金融相場から業績相場への移行が進む」との市場の見方もあります。
今週の指標:日経平均株価
今週の日経平均は、23日(金)の米国の主要3指数の史上最高値更新やシカゴの日経先物の+620円の2万8,180円を受けて、2万7,900~2万8,600円のレンジの動きが想定されます。
国内では2021年4-6月期決算発表が本格化し、予想を上回れば2万8,500円水準での動きが想定され、27~28日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で量的金融緩和の早期縮小が意識されれば、日経平均は2万8,000円水準での動きとなりそうです。
先週の動き
先週の予測では、営業日数は19日(月)~21日(水)の3日間となるため、様子見の中で下値模索となるとしました。
前週末のNYダウが▲299ドルの3万4,687ドル、さらに週明けの7月19日(月)が▲725ドルとなったことで、20日(火)の日経平均は一時2万7,330円と大幅続落し、終値では▲264円の2万7,388円と6カ月ぶりの安値水準となりました。引け後の米国市場でNYダウ平均株価が+549ドルの3万4,511ドルと大幅反発したことで、21日(水)は+159円の2万7,548円で引けました。
日本市場の休日を含めた米国市場では、4日続伸となり週末は主要3指数はそろって史上最高値更新となりました。これを受けてシカゴの日経先物は+620円の2万8,180円となっていました。
今週の指標:NYダウ平均株価
先週、NYダウは史上最高値を更新したところであり、今週は26日に米6月新築住宅販売、27~28日のFOMC、6月耐久財受注、7月消費者信頼感指数、28日にパウエル議長会見、29日に4-6月期GDP速報値、30日に6月失業率、6月住宅着工統計などがあり、予想を上回れば株価は高値を更新する動きとなり、マチマチであれば天井圏でのもみあいとなりそうです。その中で主要ハイテク企業の決算への期待が相場を一段と引き上げる可能性はあります。
先週の動き
先週の予測では、新型コロナのデルタ株の感染拡大、そして夏休みを控えて何かキッカケが出てくるときに下落するとしました。ただし、企業決算は好調なので相場を支えることになるとしました。
結果的に、週始めは新型コロナのデルタ株の感染再拡大を嫌気して、NYダウは一時▲946ドルまで下げ、終値では▲725ドルでした。
しかし、その後は主要ハイテク株の好決算期待で4日続伸となって、週始めの下げ幅を埋め、週末には+238ドルの3万5,061ドルと、終値では初めての3万5,000ドル台となりました。結局、主要3指数とも4日続伸で、史上最高値を更新して引けました。
今週の指標:ドル/円
今週は、FOMCをはじめ、多くの経済指標の発表が予定されており、インフレ懸念が高まらず、長期金利が安定していれば、1ドル=110円台半ばでもみ合う展開となりそうです。27~28日のFOMCでは、早期の金融引き締めに慎重なスタンスを維持すると予想されており、リスク選好的なドル買いが広がるとの見方は少ないようです。
先週の動き
週始めの7月19日(月)は、新型コロナ感染再拡大を嫌気し、NYダウは一時▲946ドルまで下げて、終値は▲725ドルの3万3,962ドルと急落。これによって、長期金利も低下し、1ドル=109円台の前半までドルが売られました。その後は長期金利が一服し、ドルが買い戻され、21日(水)には1ドル=110.29円となりました。23日(金)の週末には5カ月ぶりに長期金利も元に戻り、為替は1ドル=110.54円で引けました。
先週の結果
週始めのNYダウの急落にツレ安し、3営業日に2万7,330円の安値をつける
日経平均は先週の予測では、東京五輪のための変則連休で、19日(月)~21日(水)の3営業日のための様子見ムードとなるとしました。
ただし、前週末の16日(金)に日経平均は一時2万8,000円を切ったことで、下値を探る可能性もあり、その場合は5月13日の安値2万7,385円、7月9日の2万7,419円と二点底をつくっており、2万7,500円水準で下値固めをしているように見えるものの、その場合は、NYダウの調整がない場合としました。
しかし、結果的にはこの3営業日に、NYダウが新型コロナ感染再拡大を嫌気して、16日(金)から19日(月)の2日間で1,000ドルを超す急落。一時3万4,000ドルを割り込み、これを受けて日経平均も防御ラインとされる200日線(2万7,712円)を割り込み、20日(火)には2万7,330円まで下落しました。
この安値は5月13日の2万7,385円を下回る1月以来の低水準となります。200日線と同時に、ここを切ってきたことでテクニカル面からは厳しい状況になったといえます。
ただ、TOPIX(東証株価指数)は、まだ200日線や直近の安値までは余裕がありますが、先行き不透明感は強くなっているといえます。
一方で企業業績を見ると、各社の収益は期待通りに拡大しており、コロナワクチン接種の進行が効果を発揮してくれば、業績には問題ないといえますので、株価は再評価されることになります。ただ、足元の企業業績は強いため、現時点では、明確な底割れには至っておらず、どのあたりで下値固めをするのかは、米国株(特にNYダウ)次第となっています。
その後のNYダウは、20日(火)、21日(水)と2日連続の大幅高となっており、この時点では、週始めの大幅な下落幅を埋めており、シカゴの日経先物は2万7,950円と2万8,000円に接近しています。
日本市場の21日(水)の引け後の米国市場は、NYダウ採用銘柄の決算が市場予想を上回り、原油高を追い風にエネルギー株が大幅高となり、NYダウは前日20日(火)の+549ドルに引き続き、+286ドルと続伸しました。
主要3指数とも続伸し、NYダウは週始めの大きな下落幅を埋め切りました。
22日(木)は、主要3指数とも3日続伸。新規失業保険申請件数が予想以上に増加したため、景気回復の後退懸念から長期金利が低下して、NYダウはいったん下落したものの、主力ハイテク株が物色され、ナスダック株価指数が上昇して相場全体をけん引しました。
23日(金)の米国市場は、景気回復の腰折れ懸念が和らぎ、主力ハイテク株の好決算期待が強まりました。NYダウは週始めの▲725ドルの下落を4日続伸で埋めて、初めて終値で3万5,000ドルを突破し、主要3指数はそろって最高値更新となりました。
シカゴの日経先物は+620円の2万8,180円と2万8,000円台を回復しています。
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