下値を試す場合の目安は?:移動平均線乖離率のボリンジャーバンド

 移動平均線的には200日という「最後のとりで」を下回る場面が増えてきたこともあり、もし、下値を試す場面があった場合、どこを目安にしたら良いのかを考える必要が出てきました。そこでいくつかの指標を確認していきたいと思います。

 まずは、ここ最近のレポートでも紹介している移動平均線乖離(かいり)率のボリンジャーバンドです。

■(図2)日経平均の移動平均線乖離率(75日)のボリンジャーバンド

出所:MARKETSPEEDⅡのデータを元に筆者作成

 まずは、75日移動平均線乖離率のボリンジャーバンドです。

 先週末30日(金)取引終了時点の75日移動平均線乖離率(ピンク色の線)は▲5.16%ですが、▲2σ(シグマ)の近くに位置しています。計算すると2万7,108円ですので、先週末の終値(2万7,283円)からの下げ余地は175円ほどということになります。

 続いては25日移動平均線乖離率のボリンジャーバンドです。

■(図3)日経平均の移動平均線乖離率(25日)のボリンジャーバンド

出所:MARKETSPEEDⅡのデータを元に筆者作成

 先週末30日(金)取引終了時点の25日移動平均線乖離率は▲3.52%です。図2の75日に比べると▲2σ(シグマ)にはまだ少し距離があるように見えます。具体的な▲2σの値は▲4.22%ですが、こちらも計算すると2万7,084円となります。

 75日・25日移動平均線乖離率からみた下値の目安はどちらも2万7,000円台をキープしているため、2万7,000円付近から安いところは買いを入れるポイントとして考えることができそうですが、ボリンジャーバンド全体の傾きが下を向いており、乖離率が▲2σに沿って下げていく可能性も想定されるため注意は必要です。