米国高配当株5:エクセロン(EXC)

 傘下に複数の電力会社を抱える米国有数のエネルギープロバイダーである持株会社です。

 米国最大の原子力発電所を運営しており、原子力発電が米国のゼロカーボンエネルギーの60%を生成していることから、今後の温室効果ガス排出量の削減目標に向けて大きな役割を担っています。

 その他、電力の生成においては、ガス、風力、太陽光、水力発電を用いるなど米国で最もクリーンで低コストな電力生成を行っています。

 時価総額は449億3,000万ドルで、日本円で約4兆9,400億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「エクセロン・ジェネレーション社(Generation)」で売り上げの約6割をあげており、続いて「ComEd社(Commonwealth Edison Compan)」「PHI社(Pepco Holdings LLC)」「BGE社(Baltimore Gas and Electric Company)」「PECO社(PECO Energy Company)」となっており、各社がそれぞれの地域でエネルギー送達事業を行っています。

会社別の売り上げ割合

出所:エクセロン(EXC)決算データより筆者作成

「エクセロン・ジェネレーション社」は大規模な発電も行っており、その約6割が原子力発電で、それ以外に水力・風力・太陽光・天然ガス・石油燃料を用いて発電を行っています。また、「ComEd社」ではイリノイ州最大の電力会社として電線管理を中心に事業展開しています。

競合他社

 競合他社として、エネルギー関連事業およびサービスの開発と管理に注力するDTEエナジー(DTE)、複数の伝統的な電力会社とSouthern Powerによる電力販売やSouthern Company Gasによる天然ガスの流通を担う持株会社サザン(SO)などが見受けられます。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値まで回復していませんが、配当は昨年と同じ水準を予定しています。

 株価が戻っていない要因の一つとして、今年発生したテキサス州の大寒波があります。この寒波によって、エクセロンの発電設備にも影響があり、結果業績に悪影響が出ました。

 現在、コスト削減などを行うことで株価は徐々に回復しており、今後はクリーンエネルギー政策を追い風に、昨年の高値を超すことができるか注目です。

業績動向

 2021年5月5日開示の四半期決算ではEPSは市場予想を下回り・売り上げは市場予想を上回りました。テキサス州を襲った大寒波の影響により業績に影響が出ており、そのようなことからEPSが市場予想を下回りました。

 今後は、NextEra Energy(NEE)Duke Energy(DUK)などの米国大手電力会社を大きく上回るゼロカーボンエネルギー発電企業として、連邦政府の政策を追い風に業績が拡大することが期待されます。

 次回2021年8月4日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 9.11以降、多額の投資を行い、核施設の防御を強化してきました。加えて、政府防衛機関および諜報機関とも緊密に連携し続けています。それは一方で、外部からの攻撃対象となりえる施設であることの裏返しであり、そういったリスクがあることには注意が必要です。

株価動向、配当利回り

配当:1.53ドル
配当利回り:3.32%
株価:45.99ドル(約5,000円)

 権利落ち日は8月中旬予定(権利実施は9月中旬予定)です(2021年7月19日時点で未確定。昨年を参照)。

 配当は1.53ドル、配当利回りは3.32%、株価は45.99ドルで約5,000円から購入できます(2021年7月16日時点)。

 2018年以降の最高値は50.95ドル、最安値は29.98ドルです(終値ベース)。

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