米国高配当株4:ニーナ(NP)

 2004年にキンバリークラークからのスピンオフにより独立しました。

 プレミアムニッチ市場を対象に、特殊材料企業としてさまざまな製品を作り出しています。

「ボックスラップ」や「医療用パッケージ」、「研磨布紙」、「感圧粘着テープ」など紙をベースにその技術から派生したさまざまな商品を展開しています。

 時価総額は8億2,500万ドルで、日本円で約908億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「工業技術・科学技術製品事業(Technical Products)」で、売り上げの約6割を上げており、続いて「用紙・包装事業(Fine Paper and Packaging)」となります。

出所:ニーナ(NP)決算データより筆者作成

「工業技術・科学技術製品事業」では、「ろ過製品(filtration)」が売り上げの中心となっており、セルロースベースの不織布や、メルトブロー不織布などの生産を行っています。

 これらの製品は、産業用ろ過市場の拡大とともに売り上げを伸ばしており、今後も世界的な環境への取り組み拡大などにより、さらに市場規模が拡大していくことが予想されています。

競合他社

 競合他社として、住宅建設、修理およびリフォーム、屋外構造に使用される製品を製造するルイジアナ・パシフィック(LPX)、子会社を通じて、木材、木材複合材、その他の製品を小売、建設、工業などの3つの主要市場に供給する持株会社であるUFPインダストリズ(UFPI)などが見受けられます。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値まで回復していません。

 また、配当は連続増配こそ止まったものの、昨年と同じ水準を維持しています。

「ろ過製品」の売り上げの大幅な増加などによる業績の改善によって、株価は少しずつ戻ってきていますが、まだ新型コロナ発生前の水準までは回復していません。

 今後は2021年4月6日に買収した「剥離紙」を手掛ける、「Itasa」がニーナの業績に寄与し、コロナワクチンの流通とともに、プレミアムニッチ市場の需要回復に伴う株価回復が期待されます。

業績動向

 2021年5月5日開示の四半期決算ではEPSは市場予想を上回りましたが、売上高は市場予想を下回りました。しかし、EPS・売上高ともに前年同期の水準まで回復しておらず、「工業技術・科学技術製品事業」を中心とした業績回復が待たれます。

 次回2021年8月4日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 取り扱い製品が多岐にわたっているため、よく言えばリスク分散されているのですが、一方で、株価の回復は1事業に特化している企業に比べて遅くなる傾向があるため、注意が必要です。

株価動向、配当利回り

配当:1.88ドル
配当利回り:3.83%
株価:49.01ドル(約5,400円)

 権利落ち日は8月中旬予定(権利実施は9月上旬予定)です(2021年7月19日時点で未確定。昨年を参照)。

 配当は1.88ドル、配当利回りは3.83%、株価は49.01ドルで約5,400円から購入できます(2021年7月16日時点)。

 2018年以降の最高値は95.95ドル、最安値は34.82ドルです(終値ベース)。