目先の価格動向を予測するのは難しい。条件次第でまずは80ドルを射程に入れるか

 OPECプラスの足元の動向から、世界の石油在庫に視点を移して材料を俯瞰した上で、世界の石油消費量と米国の原油生産量の動向に、注目しました。

 OPECプラスの原油生産量は、7月18日(日)の会合で合意した通り、今後順次、増加していくと考えられますが、その増加は、世界の石油の消費量の増加と歩調を合わせるもので、いたずらに生産量を増やすものではないと、考えられます。

 同時に、現在世界No1の量を誇る米国の原油生産は、回復するきっかけをつかめない状態が続いていることから、目先は比較的、需給バランスは引き締まりやすい(在庫が減少しやすい)状態が続くと考えられます。

 このような状態に、リスクを積極的にとって運用する「リスクオン」のムードをもたらす株高が加われば、さらに原油相場は上値を伸ばしやすくなると、考えられます。条件がそろえば、まずはWTI原油先物ベースで、80ドルを目指す可能性は、筆者はあると、考えています。

 OPECの動向を「過大な増産」ととらえてしまう市場参加者が増えて悲観的なムードが発生しないこと、OPECプラスの中で減産免除となっているイラン、ベネズエラ、リビアの原油生産量が急増しないことが、望まれます。

図:NY原油先物(期近 月足 終値) 単位:ドル/バレル

出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

[参考]原油関連の具体的な投資商品

国内ETF/ETN

WTI原油上場投資信託 (東証)1690
NF原油インデックス連動型上場(東証)1699
NEXT NOTES 日経TOCOM原油ブル2038
NEXT NOTES 日経TOCOM原油ベア2039

投資信託

UBS原油先物ファンド

外国株

エクソンモービルXOM
シェブロンCVX
トタルTOT
コノコフィリップスCOP
BPBP