世界の石油消費の回復傾向は続く。ワクチン流通を根拠に感染拡大でも

 以下は、世界の石油消費量の推移です。EIA(米エネルギー情報局)は、新型コロナのパンデミック化で急減した世界の石油消費は、2021年12月に9割程度回復、そして徐々に回復が進み、2022年後半にほぼ全回復するとの見通しを示しています。

図:世界の石油消費量 単位:百万バレル/日量

出所:EIA(米エネルギー情報局)のデータをもとに筆者作成

 先述のOPECプラスの原油生産量の箇所で述べたとおり、OPECプラスの原油生産量は、2022年後半に新型コロナがパンデミック化する前の水準に戻る見通しです。世界の石油消費量の見通しと、合致します。

 OPECプラスは、世界の石油消費量が回復することを見込んで、回復に合わせて生産量を調整しようとしていると、考えられます。単に、原油価格をつり上げたいのであれば、消費の回復に合わせて減産を強化する方が、効果があるでしょう。

 データからは、世界の消費回復を支え、生産者としての責任を果たそうとしているように、見えます。OPECプラスがあくまで、消費回復に応じて生産を増加させるのであれば、過剰在庫が再び積み上がることはなさそうです。