目先の日経平均、値動きの目安

 そこで、目先の日経平均がどこを目指していくのかの目安を、線形回帰トレンドで探っていきます。

■(図2)日経平均(日足)の線形回帰トレンド(2021年7月21日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 日経平均は2月16日の高値(3万714円)をつけてから、上値が切り下がっており、短期的な下落基調をたどっています。

 2月16日以降の株価の値動きを回帰直線で描いて中心線とし、さらに値動きの大きさの標準偏差からボリンジャーバンドのように、+2σ(シグマ)から▲2σまでの直線を中心線に平行に描いたものが線形回帰トレンドです。

 すると、日経平均は▲2σあたりまで下落してから反発といった値動きを繰り返しながら、トレンド全体が右肩下がりとなっていることが分かります。実際に、足元の状況をみても、200日移動平均線を下抜けた20日(火)のローソク足も▲2σで下げ止まっています。

 それと同時に、株価の反発の目安が、+2σよりも+1σあたりになることが多いことも分かります。ちなみに+1σのラインは足元で25日と75日移動平均線のあいだを通っています。

 また、図2でも、先ほどの図1と同じ、シカゴCMEの225先物取引の終値(2万8,205円)水準を描きましたが、ちょうど線形回帰トレンドの中心線を試すような位置にあります。

 そのため、日経平均の値動きの目安は線形回帰トレンドの範囲内と考えて良さそうです。具体的には、75日や200日移動平均線が近くにある+1σ~▲1σがコアレンジとなります。

 もっとも、相場のムードは企業決算とFOMCの動向次第になります。先週末の米国株3指数がそろって最高値を更新したことは冒頭でも述べましたが、週のあたまに大きく下落する場面があるなど、荒っぽい値動きだったことは押さえておく必要がありそうです。