中国の政治リスクはどんどん高まっている

 中国の対外強硬姿勢が東アジアの地政学的リスクを高め、それが日本および世界経済および株式市場にとって脅威となりつつあります。台湾海峡問題、南シナ海での実効支配拡大、インドとの領土紛争、ウイグル・香港での人権問題で、中国は露骨に強硬策を取るようになりました。貿易戦争・ハイテク戦争に加え、政治・経済両面で、米国との対立激化が避けられなくなりつつあります。

 もう1つ、日本株への影響で懸念され始めているのが、足元の中国の景況です。コロナからの回復が早く、一時は世界景気の牽引役として期待されていました。2020年10-12月には、中国景気回復が日本の企業業績にかなりのプラス影響を及ぼし、それが日本の景気敏感株の上昇要因となりました。

 ところが、4-6月になり、中国景気にややブレーキがかかりつつあるとの見方も出てきています。今日は、中国景気の減速懸念について、レポートします。