コロナ禍においても2ケタ増益を達成した利益安定成長銘柄に注目

 長期投資としては、成長株のキャピタルゲイン(株価の値上がり益)狙いも醍醐味(だいごみ)の1つではありますが、よりリスクが低く安定した利益を確保するにはインカムゲイン(配当収入)狙いが有効となるでしょう。

 高配当利回り銘柄は、業績変化率が低くても、安定した業績成長が確保できれば株価の大幅な下落は避けられ、着実なパフォーマンスが期待できることになります。

 なかでも、中小型株は大型株よりも事業規模の拡大余地が大きいため、その分、キャピタルゲインの獲得期待も相対的に高まりやすいと考えられます。

 下表は、配当利回りが4%以上の銘柄の中で、長期投資に堪え得る中小型株をスクリーニングしたものとなります。ここ5年間の年平均営業利益成長率が2%以上の銘柄であり、着実に業績が拡大傾向にあるものと捉えられます。

 また、高配当利回りであっても、その分株価が下落していてはトータルのパフォーマンスが低下してしまうことになるので、ここ5年間の株価パフォーマンスが日経平均の上昇率と比べて、大きく劣っていないもの(5年前比での株価上昇率が70%以上)をピックアップしています。

 さらに、外国法人の持株比率が高い銘柄は機関投資家の投資対象になっている銘柄であると推測されるため、長期投資対象としてリスクは大きくないといえるでしょう。

利回り4%以上、利益安定成長で長期投資向きの中小型株

コード 銘柄名 予想配当
利回り
株価 時価総額 年平均営業
増益率
株価
騰落率
1961 三機工業 4.90 1,428.0 852 2.9 70.4
5857 アサヒHD 4.08 2,207.0 1,759 23.6 174.8
8098 稲畑産業 4.25 1,648.0 1,046 5.7 72.8
8203 ミスターマックスHD 4.33 623.0 247 31.5 126.6
9880 イノテック 4.51 1,329.0 182 14.1 206.2
注1:予想配当利回りの単位は%、時価総額の単位は億円、営業増益率の単位は%。株価は2021年7月9日終値、単位は円。
注2:年平均営業増益率は5年間平均
注3:株価騰落率は5年間(2016年7月11日比)

銘柄選定の要件

  1. 予想配当利回りが4.0%以上(7月9日終値ベース)
  2. 営業利益の年平均成長率(5年間)が2%以上
  3. 5年前比での株価上昇率が70%以上
  4. 外国法人持株比率が20%以上
  5. 前期実績ROE(自己資本利益率)が5%以上