東京五輪、4-6月期決算などが注目ポイント、総じて押し目買い優位と判断

 7月23日からは東京五輪が開催され、外国人投資家の日本株に対する見方の変化につながるという意味でも注目されます。

 現時点では、日本の経済効果に対する影響が限定的とみられるほか、東京五輪を契機に新型コロナウイルス感染者数の広がりが見られれば、政権の求心力の低下にもつながりかねないことで、ネガティブな方向に左右する公算が大きいと考えられます。

 一方、活躍が目立った日本人選手に関連するような銘柄群が、個別に物色される可能性はありそうです。

 7月12日から東京都では4度目の緊急事態宣言が発令されています。ワクチン接種が本格化していることからも、最後の宣言となる可能性は高いでしょうが、今後決算発表が本格化するタイミングであるため、上方修正の抑制要因につながるものとみられます。

 自動車関連は半導体不足の影響も足元で短期的に響いていると考えられ、今回の4-6月期決算では、市場が期待するほどの上方修正や増配アナウンスは少なくなるものとみられます。

 決算発表における失望要因と捉えられる可能性があるでしょう。今回に関しては、好決算発表期待を先取りするよりは、決算発表後の押し目買いに注目したいところです。

 米国長期金利は想定外の低下基調をたどっていますが、住宅価格の上昇などを考慮すれば、近いうちの反転が想定されます。仮に、米国企業の4-6月期決算発表で、原材料価格の上昇懸念などが多く示されれば、金利の上昇余地は広がることになるでしょう。

 ただ、現在の水準からは、ある程度の金利上昇が株価にマイナスの影響を与える可能性は低いとみられます。むしろ、高配当利回り銘柄など、バリュー株の見直しにつながることになるでしょう。

 なお、需給要因で言うと、足元ではGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資金流入観測が強まってきているようです。

 東証では、東証再編に係る新市場区分の上場維持基準に適合しているかどうかの1次判定結果を各企業に通知しています。

 報道では、東証1部の3割に当たる664社がプライム市場基準に届かずと伝わっています。株主総会を通過したタイミングでもあるため、今後流通株式比率向上に向けた、株式売出の実施などが増える可能性には要注意となります。

 一方、個人株主拡大や時価総額増大に向けた株式価値の向上策などがアナウンスされる公算もあり、当落線上とみられる銘柄群には、今後手掛けにくさが強まるものとみられます。