先週の結果
2万8,000~2万8,700円のレンジを下に向かい、週末2万8,000円割れ
先週の予測では、米国株式が上昇して最高値更新したにもかかわらず、日経平均は連動しない状況や先々週末の7月2日(金)の6月米雇用統計の結果を受けて、米国株が主要3指数は大きく上昇したにもかかわらず、シカゴの日経先物がほとんど上昇していなかったことで、先週は下値を探る展開を想定しました。
新型コロナウイルスの感染者が東京五輪を前に増加しており、日本の経済正常化への懸念から外国人は当面、日本株から資金を引き上げているということや、米国では独立記念日後はバカンスに入り、ポジション調整の売りも出てくる可能性がありました。
国内の需給要因では、日経平均やTOPIX(東証株価指数)などの指数連動型ETFの決算に絡む分配金の捻出売りが懸念されており、上値は重く下値を探る動きが強まるとの見方も多くありました。
チャート(柴田罫線)を見ると、2万8,000~2万9,000円のレンジの中で、2万8,500円水準を上値に2万8,000円に向けて下値を探る展開を想定していました。
ところが、週の前半こそ2万8,500円水準でもみ合っていましたが、その後は新型コロナ感染者が日ごとに増加したことで相場の重しとなり、8日(木)までは想定したレンジの下限2万8,000円を守っていました。
しかし、引け後の欧米株式が、新型コロナ変異株の世界的な感染拡大を嫌気して、大幅下落となったことで、週末の日経平均は寄り付きから▲378円の2万7,739円となり、一時▲698円の2万7,419円と、2万8,000円を大きく割り込みました。
ところが、後場になると日銀のETF買いの思惑や年金資金の買い観測で下げ渋ると短期筋の買い戻しが広がり、▲177円の2万7,940円と急速に下げ幅を縮小しました。
この日の引け後の米国市場は、これまで景気回復のピークアウト懸念を背景に続いていた債券買いが一服したことで、大きく下落していた景気敏感株中心に買い戻され、大幅上昇となりました。
米10年債は9日ぶりに反落して利回りが上昇し、これを好感し、金融株が軒並み大幅反発しました。
前日に▲259ドルのNYダウは、+448ドルの3万4,870ドルと1週間ぶりに最高値を更新し、S&P500種株価指数、ナスダック総合株価指数も最高値更新となりました。
週間で見ても、主要3指数そろって3週続伸となっています。これを受けてシカゴの日経先物は+325円の2万8,535円となりました。