TOPIXのチャートの形は日経平均より良好

 次にTOPIX(東証株価指数)についても見ていきます。

■(図2)TOPIX(日足)のギャンアングルとMACD(2021年7月16日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週のTOPIXも日経平均と同様に、急反発からの失速という動きでした。

 週末の取引終了時点で株価が75日移動平均線を回復しきれなかったものの、5日と25日移動平均線のゴールデンクロスが出現したほか、株価水準自体は、ギャンアングルの8×1ラインと4×1ラインの範囲内に戻しています。

 また、下段のMACDも、一瞬ではありますがシグナルを上抜ける場面も見せており、チャートの形は日経平均よりは良いと言えます。

 実際に、先週の日経平均は、寄与度の高いソフトバンクグループの株価が、最近の中国当局の動き(滴滴への圧力や、海外株市場への上場規制など)が警戒されてさえない動きになっているほか、決算発表を受けたファーストリテイリングが下落で反応していたことも影響して、TOPIXよりもパフォーマンスが落ちていました。

 引き続き、目先の日経平均の値動きの目安は25日移動平均線乖離(かいり)率のボリンジャーバンドが参考になりそうです(下の図3)。

■(図3)日経平均の移動平均線乖離率(25日)のボリンジャーバンド

出所:MARKETSPEEDⅡのデータを元に筆者作成

 先週の日経平均の25日移動平均線乖離率(ピンク色の線)は、週初の上昇によって、中心のMA付近まで戻したものの、その後の下落によってマイナス1σ(シグマ)を下回って終えています。

 16日(金)時点の25日移動平均線は2万8,703円ですので、図3のプラス2σからマイナス2σのそれぞれの値で計算すると、プラス2σまで上昇すれば2万9,455円あたりが目安になります。

 なお、プラス1σでは2万9,024円、MAで2万8,593円、マイナス1σで2万8,166円、マイナス2σで2万7,735円となります。

 ちなみにマイナス2σ(2万7,735円)は同日の200日移動平均線(2万7,650円)と比較的近い株価水準ですので、下値のサポートとして機能するかが強く意識されそうです。