割安な成長株はなかなかない。新日本科学に期待

 高成長が期待される株は、だいたいPER(株価収益率)・PBR(株価純資産倍率)などの株価指標で高い水準まで買い上げられています。つまり、将来の成長をかなり織り込んだ価格になっています。そこからさらに株価が上がっていくためには、売上・利益が期待以上に伸びなくてはなりません。市場の期待を下回ると、最高益を更新していても、株価が大きく下がることもあります。

 あまり投資家に人気がなく、PERで低く評価されている「成長株なのに割安」な銘柄があると良いですが、それはなかなかありません。しかし、よく探せば候補企業は見つけられます。「世の中の変化に取り残された”オールド企業”と思われているが、それは誤解で、実は世の中の潮流に乗って成長していく企業である」という企業を見つければ良いわけです。

 その候補と考える企業は、さまざまな領域にあります。たとえば、物流産業がそうです。Eコマース拡大によって、物流は成長産業となっていますが、古い産業のイメージが払しょくされず最高益を更新していても、株価は「PERで割安」のままである銘柄が多数あります。

 バイオ分野でも期待する企業はあります。たとえば、東証1部上場の新日本科学(2395)。7月7日の株価は1,021円で今期(2022年3月期)の予想PERは10.8倍と、割安と言える水準です。新日本科学は、国内外の製薬企業から、受託研究機関として、創薬支援・前臨床試験などを行っています。

 医薬品業界では研究開発や創薬のスピードアップと効率化を目指したアウトソーシングが活発となっており、同社の受託業務に追い風が吹いています。海外の大手製薬企業から新型コロナワクチンや治療薬開発プロジェクトの受注が入っており、今後の成長が期待できると私は予想しています。