パンデミック化から1年4カ月、「ほぼ全部高」の衝撃

 筆者が日ごろから注目している56銘柄の騰落率を確認してみます。56銘柄とは、貴金属4銘柄、その他金属等11、エネルギー2、穀物関連5、農畜産物11、主要国の株価指数10、通貨8、暗号資産3、その他2です。

 2020年3月2日の終値と2021年6月25日の終値で計算する、上昇銘柄数が全体の93%にあたる52銘柄、下落銘柄数が7%にあたる4銘柄でした。

 下落した4銘柄はドル/スイス(▲4.4%)、ドル指数(▲5.7%)、ドル/カナダドル(▲7.8%)、そしてカカオ(▲11.6%)でした。米国の金融緩和の影響がいかに大きいかがうかがえます。

 カカオは「バイデン・ワクチン相場」が始まった昨年11月に急騰しましたが、その後、反動で大きく下落しました。

 上昇で最も目立ったのはやはり暗号資産でした。イーサリアムが+699.8%、ビットコインが+260.1%、リップルが+159.5%と驚異的な上昇となりました。いずれも今年春のピーク時はさらなる高値がありました。

 暗号資産と同等の上昇を演じたのは、バルチック海運指数(+503.9%)、鉄鉱石(+156.9%)、温室効果ガス排出権(+134.0%)などの物流・鉄鋼・環境関連の銘柄でした。

 次いで、大豆油(+106.5%)の上昇、上昇率50%以上の銘柄では、トウモロコシ、銀、大豆、原油、銅、菜種、木材などが名を連ねました。

 以下のグラフは、56銘柄の代表例として抽出した19銘柄の騰落率です。

図:主要銘柄の騰落率(56銘柄中19銘柄を抽出) 2020年3月2日~2021年7月5日

出所:ブルームバーグのデータをもとに筆者作成